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「いろいろな音階を教えてください」
これ、よく聞かれることですが、「では!」と言って紹介を始めると、すごく微妙なリアクションを受けるものの1つでもあります。
- 覚える事が多いし
- かといって、覚えても”すぐに使えるもの”でもないし
- いざ使う場面になると「頭が真っ白」になるし
教わった側からすれば、
「教わったところで、使えないよ~(泣)」
と、ポツリと言いたくなるパターンで、
- リアルで教えるとか
- リアルで教わる
のがお互い気まずいのが、この「音階」であったりします。
という事で、この記事では、ネットと言う「ある意味気楽な方法」を使って、
- 譜読みや
- セッション
で使えそうな音階を、3つの項目に分けて紹介していきます。ネットですので、つまらなければ気楽に閉じて頂けますし。
どうぞご覧ください。
「西洋音階の基本」長音階と短音階
最初は、西洋音楽の基本の音階であり、比較的覚えやすい、
- 長音階(メジャースケール)1種類
- 短音階(マイナースケール)3種類
を紹介ていきます。
それでは、長音階から。
長音階(メジャースケール)
おなじみのこちらですね。
次は短音階です。大きく分けて3種類
- 自然短音階(ナチュラルマイナースケール)
- 和声的短音階(ハーモニックマイナースケール)
- 旋律的短音階(メロディックマイナースケール)
と、ありますので、順を追って紹介します。
自然短音階(ナチュラルマイナースケール)
参考までに、長音階のドの音から数えて6番目の音から吹き始めると、自動的に自然短音階になります。
楽譜の例:ハ長調の音階の6音目、「ラ」から始まる自然短音階
(ハ長調と同じく「調号がない」ところに注目です)
和声的短音階(ハーモニックマイナースケール
なぜ和声的短音階と言うのが存在するか?なんですが、これは「短音楽器(1音しか出せない楽器)」であるトランペットだけで吹いている限り、ピンとこないんですよね。
- ピアノやギターのような和音を出せる楽器で和音を出すか
- 編曲のスキルがあるか
の、どちらかがないと、「なんかアラビアっぽい音階だね~」で、話が終わる音階だと思います。もし必要になったら調べてみてください。
(スミマセン、説明するのが強烈にメンドクサイです→本音)
旋律的短音階(メロディックマイナースケール)
上に書いた和声的半音階(ハーモニックマイナースケール)の「アラビアっぽさ」を、日本人の耳から聞いても(とはいっても、日本人がこの音階を作ったのではないんですが)、
「あんまり変な感じに聞こえないようにした」
のが、「旋律的短音階(メロディックマイナースケール)」になります。
上がる時と下がる時の音の高さが微妙に違うのが特徴ですね。
吹いてみると分かるんですが、「あ、この短音階はアリだな」と思えるのではないでしょうか。
ここまでは、西洋音階の基本である、長音階と短音階を紹介しました。
次の章からは、「ポピュラー系のセッションで比較的使える音階」を紹介していきます。
ポピュラー系で覚えておくと便利な音階
ポピュラー系の曲のセッションや譜読みで圧倒的に使えるのが、
- ペンタトニック
- マイナーペンタトニック
- ブルーススケール
になります。5音(ペンタはギリシア語で”5″をあらわす)から6音で作られている音階ですね。
ペンタトニック
長音階(メジャースケール)の4番目の音と7番目の音を抜くとできる音階です。
(下の楽譜の場合は”ファ”と”シ”が抜けています)
マイナーペンタトニック
「自然短音階(ナチュラルマイナースケール)」の2番目の音と6番目の音を抜くとできる音階です。
ブルーススケール
ペンタトニックの2番目の音と3番目の音の間に、半音分の高さの音が入ります。
ポピュラー系(ジャズ系)のセッションで、特にトランペットで、より”ボロを出さないためのコツ”として、
「使う音数を可能な限り減らす(16分音符&半音階をなるべく使わない)」
と言うのがあります。なので
「オクターブ(8音)よりも、少しでも使える音の数を減らした方が良い」
と言う理屈から、ペンタトニックやブルーススケールがおススメになるわけです。
譜読みに便利な教会旋法(チャーチモード)
最後に紹介するのが教会旋法(チャーチモード)と呼ばれるものです。どういうものかと言うと、
ある長音階の「主音から7音目までの各音」をスタート音にして、1オクターブで吹くとできる7つの音階
ですかね。
例:ハ長調(Cメジャースケール)の音階の場合
- 主音から始まる音階→アイオニアン(イオニアン)モード
- 2音目から始まる音階→ドリアンモード
- 3音目から始まる音階→フリジアンモード
- 4音目から始まる音階→リディアンモード
- 5音目から始まる音階→ミクソリディアンモード
- 6音目から始まる音階→エオリアンモード(=自然短音階)
- 7音目から始まる音階→ロクリアンモード
(ロクリアンモードの4番目の音を半音下げると”オルタードスケール”になります)
ジャズやポピュラー系の理論を学ぶと、ほぼコードとワンセットで教わる音階です。
ただし、あくまで管理人の個人的感想にはなるんですが、セッションで使うというよりは、
- ポピュラー系の曲の分析に使うとか
- 譜読みを早くするために使う
事の方が多い印象を持ちます。チャーチモードを全部覚えても、あんまり使えたためしがないというか。
(管理人のセンスがないという事も原因ではあるんですが…)
ただ、チャーチモードを覚えると、こういう譜面が出てきても、全く動じなくなります。
#や♭がついていないので、どんなに細かい音符だろうが、元の調さえ見失わなければ、後は機械的に指を動かすだけですから。
最後に
いかがでしたでしょうか。
音階の種類について、
- 譜読みや
- セッション
で、使えそうなものを3つの項目に分けて書いてきました。
- 別にセッションなんかやるつもりないし…
- 楽譜を必ず用意するからアドリブなんか興味ないし…
- 楽譜はその都度ゆっくり読むから必要ないかなぁ…
と、もしあなたが思えたのなら、スルーしていただいても構わない知識ばかりです。正直言って。
でも、たとえば吹奏楽などでも、
- クラシックの専門教育を受けていない人で
- 初見演奏で楽譜を見失わない人
は、だいたいこの音階の考え方(とコード)をマスターしています。
もし、「譜読みの時間が取れなくて困っている」という事が多いなら、試してみてはいかがでしょうか。