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今も思い出す、管理人が中学生の時の事…。
「トランペットを吹く時は息のスピードが大事だから!」
と言ってやらされました。窓ガラスにティッシュを当てて落とさないように息を吹き続ける練習。
一番最初に落とした人間(当時、10回に9回は管理人でした)には”おしおき”があったりして…。
その後、専門学校で、
「ロックトランペット(ホーンセクションの吹き方。かなりパワータイプのやり方です)」を習い、その結果、
「”窓ガラスにティッシュを当てて落とさないように息を吹き続ける練習”」
はトランペット練習には必要ないどころか、やった方が逆効果。と言う結論に至りました。
この記事では、その理由を3つに分けて説明します。どうぞご覧ください。
トランペットを吹く時の息の方向は人それぞれ
まず、結論から言うと、トランペットを吹く時の息の方向は人それぞれで、
そして、さらに言うならば、
正面(というかトランペット吹いているときの角度)と同じ人は本当に少ないです。
試しに、あなたにやってみてほしいんですが、
- トランペットを吹く(音は何でもいいです。音質は問いません、音が出ていればOKです)
- トランペットを吹いたままの口をキープしつつゆっくりとトランペットを口から離す
- その口のままで、息を”そっと”でいいので出し続ける
- 息の出ている所へ手をかざす
どうですか? 息、正面にでていますか? 多分出ていなんじゃないでしょうか。
日本人の場合、下向きが圧倒的に多く、次に上向き。正面はごくごく少数のはずなんです。
と言うか、トランペットを効率ようくならそうと思ったら、
- 下向きか
- 上向き
に息を出し、マウスピースのカップに一旦息を当てないとキツイはずなんです。
ちなみに、日本人に圧倒的に多いのは、息が下の方向に出ているパターンです。
その理由を次の章で書いていきます。
日本人に多い息の方向は下向きです
ハイ! 日本人に多い息の方向は下向きです。これは諸説ありますが、一番たくさん言われているのが、
「日本人は出っ歯だから」ですね。
また、あなたにやってみてほしいんですが、
- 鏡に向かって口を閉じた状態で自分の顔を見る
- 歯をいつもどおりにかみ合わせておく
- 口を「イーッ!」とあける
- 歯のかみ合わせを見る
どうでしょう? 下の前歯が上の前歯にかぶって見えない状態になっていませんか?
つまり「出っ歯」ということですね。
なので、息は下に流れやすい。なのに無理に息を正面に出そうとすると、
- 下あごを極端にせり出すか
- 頭を不自然に上に向けるか
しなければならないはずです。
この口の形と頭の向け方、トランペットを吹く時には悪いことはあっても、良いことは一つもないんです。
- 下あごを極端にせり出す吹き方は、顎がすぐに疲れるので、バテやすい吹き方が身についてしまう
- 頭を不自然に上にあげる吹き方は、目線が上になり、楽譜が読めないので、曲を演奏できるまでに時間がかかる
なので、息は下向きでOK!なんです。
(だから、日本人の多くは、トランペットのベルが下がり気味になりますし、それを無理やり上げさせるのってどうなの?と管理人は思います)
でも、中には
「いや、私はむしろ下の前歯の方が上の前歯に被っています。」とか
「いや、私は、上と下の前歯がピッタリ合います。」
と言う方もいると思います。日本人には少ないですが、管理人個人の感想を言わせてもらうと
「うらやましいな…。」
ですね。欧米人の、特にジャズトランペット奏者によく見かける「トランペットを上に向けてかまえて吹ける」可能性があるのでカッコいいです。
参考までに、高音の出し方の一つの方法として、
「アップストリーム奏法(上に息を流す奏法、息は鼻先に当てる感じで)」
と言うのがありまして、それがやりやすい口を持っている可能性はありますね。
(ただし、アップストリーム奏法はできる人がかなり限られているようで、かのエリック宮城氏ですら「私には合わなかった」と言っています)
ティッシュペーパー練習はトランペット上達にはむしろマイナス
さて、ここで、
「窓ガラスにティッシュペーパーを当て、息で押さえつけ落とさない練習」
について触れていきましょう。
これはズバリ言わせていただきますと、
「トランペットを吹く人は、むしろやらない方が良い」
です。
窓ガラスにティッシュを押し付けるほどの”太くて速い息”なんて、トランペットには必要ないですし、
- 低音を吹くための息にしてはオーバーブロウになるし(鳴らないか、音が割れるか)
- 高音を吹くための息にしては太すぎる(高音を出せないか、音色が汚くなる)
(ちなみに、トランペットで高音を出すときに必要とされているのは”細くて速い息”ですね)
管理人、ひさしぶりにやってみましたが、1秒持ちませんでした。それでも周りの人たちの管理人への音の評価は、
・吹奏楽をやる時は「うるさい!」と、よく注意される
・実音ハイB♭までは軽々出しているように見える
実音(コンサートキー)ハイB♭
トランペットではハイCと書かれます
です。ホーンセクションをやる時はちょうどいい音量らしいんですが…。
この練習が必要な人って
- サックスやクラリネットなどの「1枚リードの木管楽器」
- フルート、ピッコロのように抵抗が少なく息をたくさん必要とする楽器
- 百歩譲って、チューバくらい大きいマウスピースを使っている楽器
位じゃないでしょうか。
こんな練習やっている暇があったら、管理人個人的には、「音を出す練習」に時間を使った方が良いと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか。
- トランペットを吹く時の息の方向は人それぞれ
- 日本人に多い息の方向は下向きです
- ティッシュペーパー練習はトランペット上達にはむしろマイナス
と、トランペットを吹く時の息の方向について書いてきました。
実は、これはプロのトランペット奏者の間でもよく言われている事で、息の方向の話になってしまうと、
トランペット奏者の間でも火花がバチバチ散るような「意見」がたくさん出てくるんです。
(やはり、トランペット吹きの間でも、いろいろな考え方がありますし、教則本もいろいろな考え方のものが山ほど出ていますから)
でも、「正面はさすがにないかな…」と言うのは管理人個人の意見ではあります。
ただ、やはり実際に吹いている所を見ないと何とも言えない部分もあり、活字だけで伝えるという事には限界がありまして…、って所ですね。
とにかく、今、音がうまく出せないのなら、息の方向など気にせずに、「あなたの音を一番鳴らしやすい息の使い方」を見つけてください。
それが、たとえ他人から「それは違うよ、いけないよ。」と言われても、気にせず鳴らし続けた方が良いです。
だって、あなたが目指しているものは「楽しくトランペットを吹く事」なのですから^^