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「トランペットを響かせたい。」
“鳴らす”ではなく”響かせる”という事で、あなたがこのページに来られたのなら、
- トランペットの音色にさらに磨きをかけたい
- または演奏会などであなたが吹いていて、聞いていた人に「あんまり聞こえなかったよ」と言われたか
このどちらかではないでしょうか。
その気持ち、よ~く分かります。管理人も「聞こえなかったよ。」と言われてヘコんだ経験がありますから。
“大きい音で吹けば響くか”というと、そうでもありませんしね。
“トランペットを響かせるのがうまい人”と言うのは、これからあげる4つの事を必ずチェック、実行しています。
もちろん、管理人もやっています。参考になることも多いと思います。
どうぞご覧ください。
まずはトランペット本体のチェック
「トランペットをうまく吹けない時は、まず楽器をうたがえ。」
これは今現在、プロのトランペット奏者の間では常識になっています。
いくらウデがあっても、楽器がダメだと、やはり響かせることはできないんです。ですので、以下の3点、
- トランペットを古いボロボロのものを使っていないか
- トランペットを格安のものを使っていないか
- マウスピースのサイズはあなたの口に合っているか
をチェックしてほしいのです。詳しく説明しましょう。
トランペットを古いボロボロのものを使っていないか
「古いボロボロのトランペットが全部悪い」と言うつもりはありません。ただし、
- あなたが見て分かるくらい”手入れがされていなくて”ボロボロとか
- 他の人のトランペットの音を聞いて「全然音が違う…」
と言う事があったのなら、楽器を疑ってみる必要があります。
社会人の方なら、少しはお金があると思いますので、管楽器店に自分の楽器を持ち込み、相談、
必要に応じて調整をしてもらうといいでしょう。最低限の調整でいいなら、費用は1万円~2万円くらいで出来ます。
「趣味なので最低限の調整でいいです。それからまずは見積もりをしてもらえますか?」
と、はっきり言いましょう。でないと”オーバーホール”をすすめてくる楽器店もあり、そうなると5~10万円コースになります。
オーバーホールをするくらいなら、新品を買う事をおススメします。
トランペットを格安のものを使っていないか
どこのメーカーとは言いませんが、「中国製のトランペット」ですね。特に1万円以下~2万円位の格安のもの。
管理人も1本持っていますが、響かせるどころか、”鳴らすこと”すらしんどいです。できれば買いなおしていただきたいです。初心者さんならイチオシはヤマハですね。
他にもおススメできるメーカーはあったり、ヤマハのトランペットの安いモデルはヤマハの中国工場で作られていたりと、
「中国製=ダメ」と言えない部分はあるんですが、とりあえずヤマハを選んでおけば間違いないです。
マウスピースのサイズはあなたの口に合っているか
これはズバリ、「吹くのにしんどくない、できる限り小さなマウスピースを選びましょう。」ですね。
初心者さんマウスピース「あるある」なんですが、大きいマウスピースの方が、
- 音が出しやすいですし
- 周りの人が、「いい音だね」と言ってくれる場合が多い
ので、初心者さんにもかかわらず、大きいマウスピースを使っている人が多いんです。
ただし、初心者さんが大きいマウスピースで出す音って、響かないんですよね。
そばで聞いている分にはいい音に聞こえるんですが、大きいホールで聴くと音が全然聞こえないという…。
なので、マウスピース選びは十分考えてください。大きいマウスピースを使うのは、もうちょっと吹けるようになってからの方がいいです。
トランペット+あるものも込みで楽器と考える
さて、この「あるもの」とは、ズバリ、練習場やホールなどの空間です。
「”トランペット+練習場やホールで初めて楽器になる」
という意識をもって、
トランペットはもちろん、”練習場やホールを一緒に響かせる”練習をしてほしいのです。
次の章で、具体的な練習方法を紹介します。
トランペットを響かせるための練習法
それでは、前の章で紹介した通り
「トランペットはもちろん、”練習場やホール、そしてあなたの体を一緒に響かせる”練習」を書いていきます。
やる事は大きく分けて3つ
- トランペットの音を練習場やホール全体に響かせる練習
- トランペットの音を練習場やホールの一番後ろまで飛ばす練習
です。詳しく紹介しましょう。
あ、それから両方の練習に共通することなんですが、あなたが出せる「一番出しやすい音で、一番小さな音」を使ってやってください。
トランペットの音を練習場やホール全体に響かせる練習
意識的なことです。できるだけ小さな音を出し、その音を、練習場やホールの
- 壁
- 天井
- 照明
- 椅子
- 果ては画びょうや、小さな部品1個1個に至るまで、
すべてのものを「ビリビリビリビリ」と振動(共振)させるつもりで、ロングトーンをしてください。
実際には振動などしませんが、その意識をもってやる事が大事なのです。
この練習をやる事で、耳が「どうすれば一番響くか」をさがし始めます。
トランペットの音を練習場やホールの一番後ろまで飛ばす練習
こちらは、練習場やホールの一番遠いところに直径1㎝位の「的」を決めます。
その的に向かって小さな音でロングトーンをして「的に音を当てる練習」をします。
これをやる事で、耳が「どうすれば音を飛ばせるか」をさがし始めます。そして、恐らくは体全体も”音を響かせるモード”に入るはずなんですが、
もし、「う~ん…響かせられないなぁ…」と思えたら、練習場またはホール+あなたの体自体を響かせることを意識してください。
体の外と体の中を両方意識すると、初心者さんの場合、吹き方がギクシャクしてしまうので、正直「意識してください」と言いたくはないんですが…、
もし余裕があったら意識してみて下さい。
2つの練習が終わったら、最後に、あなたの出せる「一番大きな音」を何度かロングトーンをして仕上げです。
これはトランペット本体を”鳴らしきるようにするための”練習です。
最後に
いかがでしたでしょうか。
トランペットの音を響かせるには。という事について、
- まずはトランペット本体のチェック
- トランペット+あるものも込みで楽器と考える
- トランペットを響かせるための練習法
と、言う事を書いてきました。
特にアマチュア吹奏楽のトランペットで、
「音量を出しているようなのに、音が客席まで届いていない」
と言う光景をちょくちょく目に(耳に?)します。
プロの吹奏楽団(東京佼成ウィンドオーケストラ、シエナウィンドオーケストラなど)では、
音量をかなりおさえて吹いているのにもかかわらず、きちんと客席まで音が飛んでくるんですよね。
参考までに、プロの吹奏楽団のトランペットの方たちは、かなり大きいマウスピースを使っています。
が、音の響かせ方をきちんと身につけているので、大きいマウスピースでも響く音を出せます。
大きいマウスピースは、唇の使い方を覚えやすい反面、トランペットの音を響かせにくいというデメリットも持っています。
必要なら、
大きいマススピースで唇の使い方を覚えた後、小さいマウスピースに変えてみる
という事も、検討する価値があるでしょう。