この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。
「トランペット!ブレスが浅いよ!」
「フレーズを吹ききれないのは、きちんと息を吸っていないからだ!」
と言われて、ヘコんでいる方も多いと思います。
あ、あなた、言われちゃいました?
管理人も、中高吹奏楽部時代は結構言われた覚えがあります。
社会人で、個人でトランペットやっている方でも悩んでいる方、多いみたいですね。
管理人は専門学校でトランペットをきちんと習ってからは、
「ブレスが浅い!」
とか言われることは、気が付いたらなくなってました。管理人自身に合ったブレスのしかたを教わったので。
この記事では、管理人が専門学校で習ったことや、プロに聞いた話などをまとめて、4つの項目に分けて書いています。
どうぞご覧ください。
ブレス練習のスタートは”吐く事”からです
まず結論を言ってしまうと、ブレスが浅くなる原因って、
「息を吐ききっていないので、”体が積極的に息を吸いにいかない”から」
なんですね。
あなたにも覚えがありませんか?
- トランペット初心者さんとか
- 遊びで「トランペット吹かせて~」とか寄ってくる人に
トランペットを吹かせてみると、口先だけで「ぷへ~」とか吹く人が多いですよね。
それで、そもそもが息を吸っていない。
なんで息を吸っていないかと言うと、「肺の中にまだ全然息が残っているから」なんです。
…
もしあなたが「意味わからない!どういうこと?」と思ったのなら、次に書くことを試してください。
- イスに座る(イスがなければベッドでも床でもいいです)
- 普段やっている呼吸をする(トランペットの事は忘れて、スマホや本を見ている時とかの感じで)
- 吐いたところでいったん呼吸を止める
- そこから「もうこれ以上息を吐けない」という所まで息を吐ききる(必要なら徐々に前かがみになっていく)
どうでしょうか? けっこう息が残っていて、まだまだ吐けたんじゃないでしょうか。
そうなんです。あなたの「もう息を吐ききれない!」と言う限界まで息を吐かないと、あなたの体は思いっきり息を吸おうとしないんです。
なので、ブレス練習のスタートは「息を吐く事(正確には息を吐ききる事)」からになるんですね。
深いブレスをするための練習方法
という事で、次は吸う事も含めたブレスの練習方法になります。それがこちら。
- 立つ
- 「もうこれ以上吐けない!」という所まで息を吐ききる
- 10秒間「息を吐ききった状態」で息を止める
- 息を吸い始める。吐ききった反動で、かなりスムーズに吸えます。
- 「もうこれ以上吸えない!」という所まで息を吸い込む
- 10秒間「息を吸いきった状態」で息を止める
- 息を吐き始める。吸いきった反動で、かなりスムーズに吐けます
以下2~7をくりかえす。と言う形になります。
そして深いブレスをとるための体の使い方が分かってきたら、
3.10秒間「息を吐ききった状態」で息を止める
6.10秒間「息を吸いきった状態」で息を止める
を抜いて実践してほしいのです。3番と6番で息を止める目的は、
- 3番で「息を吸いたいよ~!!」
- 6番で「息を吐きたいよ~!!」
と言うように、あなたの気持ちにストレスをかけて、息を吸う時と吐く時に体のばねを使う事を覚えこませるためなんです。
が!
これが体にしみ込んでしまうと、トランペットで音を出すタイミングよりも全然前で息を吸いきってしまい、”息を止めて準備する”クセがついてしまうので、
- トランペットを吹くための筋肉が不必要にこわばる
- 「プチ酸欠(二酸化炭素が増え、息苦しくなる)」状態をおこす
事になってしまい、いざ音を出すタイミングになった時に、
- アタックが弱まる
- 必要な音量、音色が出せない
- 出そうとした音に当たらない
- 音を出す前の段階ですでにプチ酸欠状態を起こしているので、フレーズが吹ききれない
という事が起こるんですね。
なので、体の使い方が分かったら、息を止めないように吐いたり吸ったりをくりかえしてください。
そして、次の章で、「この方法の致命的な欠点」を書きます。
可能ならプロや詳しい人に見てもらってください
前の章で、ブレスを深くする練習方法を書きました。が、この練習方法を読んでもらうだけじゃ、実は全然ダメなんです。
なぜかと言うと、私が「あなた自身」を全く見ていないから。
- 男性か女性か?
- 年齢はいくつか?
- 体格、背格好はどうか?
- ふだん、どんな姿勢でトランペットを吹いているか?
- 腹式呼吸か胸式呼吸か?
- 緊張しやすい心の持ち主か?
ざっとあげただけでも、あなたに関してこれだけの情報がないと、あなたに合った練習方法を説明できないんですね。
前の章であげたものは、「活字で説明できるめいっぱい。誰にでもあてはめられる範囲の無難なやり方」しか書いていないんです。
ですので、可能ならば、
- プロのトランペット講師か奏者か
- トランペットを吹く事について、体のメカニズムも含めてきちんと勉強した人
に見てもらいながらやってください。
ブレスが浅くなるもう一つの可能性とは?
次に、ブレスが浅くなるもう一つの可能性、それは、
「吹くべきフレーズに対して、必要以上の息を吸っている」
です。
そこそこ曲を吹けるようになった方”あるある”なので、必要な分だけ吸うようにしましょう。
具体的に例をあげましょう。これを吹くとします。
条件は、
- mf(メゾフォルテ。目安としてはあなたが何にも考えずに音を出した時の音量くらい)で
- 4分の4拍子
- テンポが四分音符で1分間=120位の4小節のフレーズ。
- メトロノームを使う事
- リピート(くりかえし)回数は4回。
とします。それから、スタッカートはきちんと吹いてください。
これを吹くために、めいっぱい息を吸ってください。そしてトランペットを口から離せないくらいの休みしか取れない時…、
かなりの確率でブレスは浅くなります。なぜなら、
「最初に吸った息を吐ききれない状態で、また息を吸わなければならない」
から。
トランペットを口に付けたままの状態で「息だけを吐く」っていうのはなかなかできませんよね。
あなたの中に残っている「最初に吸った息」は、どんどん二酸化炭素になり、あなたは息を吸いたくて吸いたくてしょうがなくなっているはずです。
が、息は、”吐かないと吸えない”というのは最初の章で書いた通りですね。
最初に吸った息が肺に残っている限り、トランペットを吹いて使った分の息しか吸えないとなれば…。
当然、ブレスは浅くなります。身に覚えがありませんか? 私はあります(汗)。
特に、初心者さんとか、トランペット歴の浅い方は、すぐに苦しくなって、トランペットを口から離しがちです。
そうなると、トランペットを吹く状態にアンブシュアを整えるのに時間がかかるので、4小節くらいの休みは欲しいですよね。
最後に
いかがでしたでしょうか。トランペットのブレスの練習方法をテーマに、
「ブレスが浅いよ!」と言われて悩んでいるあなたに向けて、
- ブレス練習のスタートは”吐く事”からです
- 深いブレスをするための練習方法
- 可能ならプロや詳しい人に見てもらってください
- ブレスが浅くなるもう一つの可能性とは?
の4つの項目に分けて書いてきました。
また、ブレスの練習器具として「ブレスビルダー」と言うのがあるのですが、
そもそも「ブレスが浅い!」と言われてる人があれをやっても、うまく出来なくてヘコむだけなんですよね。
ブレスビルダーを使うのは、もうちょっと「深いブレスができるようになってから」でも遅くはないと思います。
(プロの先生に見てもらえば「ブレスビルダーを使ってもいいか、まだ早いか?」の判断もしてくれるはずです)
なので、この記事に書いていることを試してみて下さい。