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「トランペット吹くのって肺活量いるんでしょ?」とか
「トランペット吹いていて、いい音が出ないのは肺活量がたりないからだ!」とか
トランペットというか、管楽器全般で「肺活量が~」って話は多く出てきますよね。
管理人も、上手く吹けていない人を見てきてますが、
- 本当に肺活量に問題がある人
- 肺活量じゃない別の部分に問題がある人(こちらのほうが圧倒的多数)
と、ざっくりと分けられるなと思います。ですが、どちらなのかは実際に見てみないと何とも言えないので、
「肺活量を増やしたい」と思っているあなたに向けて、
- 肺活量を増やす方法や
- 肺活量に関わる考え方
を4つの項目に分けて考えていきます、どうぞご覧ください。
“肺活量を増やす”という事の正しい意味とは?
これはシンプルに「肺活量」という文字を分けてみるとわかります。
- 肺→肺の
- 活→活用している
- 量→量
ですね。つまり、「肺活量を増やす」という事を一言で言うと、
「今まで、肺の活用されていなかった部分を活用できるように訓練する」
という事です
管理人も長い事誤解していましたが、「肺そのものの容量を増やす事」ではないんですね。
(参考までに、肺そのものの容量は”全肺気量”といいます)
それでは、肝心の「どうすれば肺活量が増えるか」について、次の章で話していきます。
肺活量を増やす方法を”ものすごくざっくり”と解説
活字で書いている以上、本当に「ざっくりとしか」解説できません。可能なら、
- プロのトランペット講師か
- プロのトランペット奏者に
見てもらいながら、説明してもらいながら実践してください。それでは行きます。
- 息をめいっぱい吐ききる(あなたが「もうダメだ」と思ったところから、もっともっと吐きます)
- ゆっくりお腹をふくらましながら息を吸う(同時に背筋をゆるめる)
- お腹がふくれきったら胸をふくらましながら息を吸う(※注 肩を上げない)
- 胸を膨らましきったら、最後に、肩を力を入れずに後ろに動かす
この順番で息を吸っていけば、あなたの限界いっぱいの肺活量まで息を吸いきっているはずなんです。
が、意外とできないもんでしょう。
- 上手くおなかをふくらませられなかったり
- 背筋をゆるめられなかったり
- 肩が上がってしまったり
という感じで。
さらに言うと、「この章で書いていること自体の意味が分からない」と思っているかもしれませんね。
それでは、もう一歩下がってみて、あなたがなぜ「そんなに肺活量を必要としているのか」を、あなた自身に問いなおしてみましょう。
肺活量が必要な理由を再確認する
トランペットをやっている人で、「肺活量を増やしたい」と思う人って、いろいろなパターンがあるとは思いますが、代表的な所では、
- 初心者さんとか、長いブランク明けで息が上手く使えない人
- 漠然と「肺を十分使いきれていないな」とか感じる人
- ブレス(息継ぎとか息を吸うとかいう意味)のタイミングが分からない人
- 1つのフレーズを一息で吹ききれない人
あたりじゃないかと思います。あなたはこのどれかに当てはまりますか?
余談
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ただし「4番」はプロでもあり得たりしますし、管理人も経験しています。
何故かというと、アレンジャーがピアニストだったり『DTMやDAW(パソコンでアレンジする事)』の人だったりすると、管楽器の特徴を知らなくて、
「これ、どこで息を吸えばいいの?!」
って、言いたくなるような無茶なフレーズを書いてきたりするんですよ。当然話し合いになりますけど。
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ここから話を戻します。
「1番」「2番」に関しては、
- あなたの出しやすい音で(低い音よりは高い音の方がより良いです)
- あんたの出しやすい「音の大きさ」で
ロングトーン(吹きのばし)がオススメです。音の長さは、あなたの音が伸ばせる限界いっぱいまで。
目安が知りたいのなら、とりあえず「30秒」を目標にしましょう。可能なら60秒。
初心者さんは「15秒」ですかね。
最後の方は
- 音が細くなったり
- 音がプルプル震えだすと思うんですが、
出来るだけ息を吐ききる事により、思いっきり吸う事が出来ますので、良い練習になります。
「3番」に関しては、リズム感をきたえることで解決できます。
これに関しては別記事でお伝えします。
そして次の章では、この記事の存在をなくするような「ミもフタもない話」をします。
そんなに肺活量がいるほど”大きな音”って必要ですか?
「そんなに肺活量がいるほど”大きな音”って必要ですか?」
このような警告をしたトランペット教則本が存在します。タイトルは、
「ハーバート・L・クラーク テクニカルスタディ」
管理人も、この教則本が紹介されていた「エリック宮城ブラステクニックガイド」を見て購入、実際にさらってみました。
…
全然できませんorz
1フレーズがものすごく長いんですよ! おまけにその長い1フレーズをくり返さなくちゃならないんです!
(内容が知りたければ買ってください。著作権の関係で楽譜は載せられません)
この教則本ので習得する一番大事なことは「息のペース配分を考えることに意識を向ける」という事なんです。
そしてもう一つ言っているのが、
「近年(と言ってもこの教則本自体、かなり昔のものですが…)のトランペットの音は大きくなりすぎている」
という事なんですね。
「確かに…」と管理人も思いました。管理人自身もそうですし、吹奏楽系のアマチュアトランペット奏者もそうですね。
吹奏楽の場合、トランペットの音が大きくなる原因に、「サックスの音量にひっぱられる」というのがあります。
サックスって、吹奏楽で使われる楽器の中で一番音量が出る楽器なので。
ですので、サックスの音量にまどわされず、あなたのトランペットの音量を見直す事は必要です。
機会があったら、
- 東京佼成ウインドオーケストラ
- シエナ・ウィンドオーケストラ
- Osaka Shion Wind Orchestra(旧:大阪市音楽団)
等のプロ吹奏楽団の「生演奏」を聞いてみて下さい。
「トランペットの音、こんなに小さいんだ!」
って、驚くはずです。
最後に
いかがでしたでしょうか。「トランペットを吹くための肺活量を増やす」という事をテーマに、
- “肺活量を増やす”という事の正しい意味とは?
- 肺活量を増やす方法を”ものすごくざっくり”と解説
- 肺活量が必要な理由を再確認する
- そんなに肺活量がいるほど”大きな音”って必要ですか?
の4つの項目に分けて書いてきました。
「肺活量を増やす」という事をあなたが本気で考えているならば、やはり、
- プロトランペット講師や
- プロトランペット奏者に
きちんとみてもらうのが一番です。
「だれにでもあてはまるような”当たり障りのない内容”しか」この記事には書いていません。
体のつくりに個人差がある以上、あなたの体に合わせた訓練をしないと、いつまでたってもあなたの問題は解決しないので。
もう一度言います。あなたが「本気で肺活量を増やす事を考えている」のなら、プロの先生にきちんと習ってください。