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腹式呼吸の練習方法として、おなかに手を当てて、
- 息を吸っている時はおなかが膨らんできて
- 息を吐いている時はおなかが引っ込んできて
「ほ~ら、これが腹式呼吸っていうんだよ~。ちゃんとおなか動いているかな~?」
という光景は、合唱や、学生吹奏楽の現場では”あるある”の練習方法ですよね。
それで、いざトランペットを吹いてもらうと、「おなかが引っ込まない」という場面にであう事が多くあります。
それで、「息を吐いている時におなかが引っ込まないけどいいの?」と、悩んでいる方を結構見かけます。
ちなみに「おなかが引っ込まない吹き方」というのはアリです。
この記事では、
「トランペット演奏時は、息を吐いたときおなかが引っ込まない場合もある」
という事を3つの項目に分けて説明します。
どうぞご覧ください。
トランペットは、「抵抗を利用して音を出す楽器」です
トランペットが、合唱用の発声と決定的に違う点は、
「楽器を吹く時に抵抗がある」という事ですね。この抵抗を利用することで、
- 唇をリードにして音を出す事が出来て
- 高音を出すときの助けにもなっている
わけです。合唱の発声法というのは、ほとんど抵抗がないですよね。
なので、おなかの筋肉も「トランペットを吹く時の抵抗に程よく対抗するように動かす」必要があります。
そして、その時の”おなかの筋肉の動く方向”は、必ずしも、「おなかが引っ込むような動きをする方向には動いていないはず」なんです。
特に高音域を吹く時や、大きな音を吹く時には、それがよく分かります。
この記事は、
「トランペット演奏時、息を吐いてもおなかが引っ込んでないいですけどいいんでしょうか?」
と言う方向けに書いているのですが、もしあなたが、”トランペット経験のある指導する側の人間”だとして、
「あれ?おなか引っ込んでないよ~。ちゃんと腹式呼吸しているの~?」
と、初心者さんとか、トランペット歴の浅い方に指導しているとしたら、一度、あなた自身でトランペットを吹いてみて下さい。
あなた自身が、吹き始めて、”すぐにおなかが引っ込むような吹き方”をしているなら、
- 高音が苦しいとか
- 音を響かせられていないとか
- 音が細いとか
- 「ぼや~」っとした音を出しているとか
いうような症状が出ていませんか? チェックの必要アリです。
トランペット演奏時のおなかの力の向きとは?
これはあくまで”管理人個人の意見”になりますが、トランペット演奏時、
おなかの筋肉は、結構長い時間、引っ込まずに固まっているように感じます。
分かりやすく言うなら
「トイレで”大”をしている時にふんばっている状態」
ですかね。力の向きはどちらかと言うと”下に向いて”います。
息を吐く時、おなかを”意識して引っ込めようとする”吹き方をすると、踏ん張りがきかなくなり、
- 高音が苦しいとか
- 音を響かせられていないとか
- 音が細いとか
- 「ぼや~」っとした音を出しているとか
と言う症状が起きます。管理人の場合は、ですが。
なので、「息を吐くときにおなかが引っ込まなくてもいいの?」と言う答えに対して、
あくまで”管理人の個人的な意見”として、「アリですよ~」と、書いてきたわけです。
では、なぜ「管理人の個人的な意見」という言い方をして来たかと言うと、管理人のやり方と別の答えがある可能性もあるからなんですね。
その事について、次の章で書いていきます。
ポピュラー系の吹き方とクラシック系の吹き方の違い
管理人は、吹奏楽くらいはやりますが、基本はポピュラー系のトランペット吹きです。
オーケストラとか、コテコテのクラシックブラスアンサンブルはやりません。
なので、
“クラシック畑”の方とは、トランペット演奏時の呼吸法がクラシックとは違う可能性がある
んですね。
(おそらく基本の基本の部分は、ポピュラーであろうとクラシックであろうと、変わらないとは思うんですが)
ポピュラー系のトランペットの場合、クラシックに比べて、
- 高音をたくさん使う
- 「バリっ」と鳴らす
- 「パン!パン!」とアタックが強めになりがち
- 音をピタッと切る→「パーン、パーン」ではなく「パーッ!パーッ!」
(但し、身近な所ではクールジャズやモダンジャズなど、一部例外もあります)
という事が多いので、吹く時のおなかの圧力が強めになる傾向があります。
分かりやすく言えば
ポピュラー系→「トイレで”大”を一気にどさっと出すような力の入れ方」
クラシック系→「トイレで”大”をゆっくり出すような力の入れ方」
ですかね。
それで、クラシックのトランペットをきちんと学んだわけではないので、クラシックの方は推測でしかモノを言えない…。
なので、「あくまで管理人の個人的な意見」という言い方しかできないわけです。
クラシック系にしても、ポピュラー系にしても、
「おなかが引っ込まなくてもいいのか?」を含めて、きちんとした(というよりあなたに合った)呼吸法を身につけたいのなら、
- プロのトランペット講師か
- プロのトランペット奏者に
レッスンを受けてください。
最後に
いかがでしたでしょうか。トランペット演奏時、
「腹式呼吸で息を吐いている時に、おなかが引っ込んでなくてもいいのか?」
をテーマに、
- トランペットは、「抵抗を利用して音を出す楽器」だという事を忘れずに
- トランペット演奏時のおなかの力の向きとは?
- ポピュラー系の吹き方とクラシック系の吹き方の違い
の3つの項目に分けて書いてきました。
「あくまで管理人個人の意見ですが~」とか
「ポピュラーとクラシックでは違う呼吸をしている可能性もある~」とか
若干あいまいな言い方をしている点に関しては、お詫びします。
これは、正直言ってあなたのトランペットを吹いているフォームを見ないと
「こうした方がより良いですかね~」
と、あなたに合ったアドバイスができないんです。
(実際、あなたを見ても「こうです!こうしましょう!」とは断言できないでしょう。超一流のプロトランペット奏者でも意見が分かれるんですから)
ただ、仮にあなたのおなかが引っ込んでなくとも、あなた自身、練習や演奏でカベに当たっていないのなら、
現状では「”おなかが引っ込まない事”をさほど気にすることはない」とは言えます。
それでも、どうしても気になるのでしたら、プロのトランペット講師や奏者にレッスンを受ける事をおススメします。