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トランペット初心者さんが、「自分のトランペットを手に入れる」時の基準として、大きく2つに分かれますね。
- 続けられるか分からないし、できれば安く済ませたい派と
- やっぱり買う喜びも味わいたいし、上手くなりたいので高いモデルを買いたい派
と。それで、「2番」の方の場合、
「高い買い物をするのだから、ハズレをつかまされたくはない」という思いがあって、
「有名なプロトランペット奏者の選定品なら間違いはないんじゃないか」と考えている。
という事で、この記事ではトランペットの選定品に関して、
- 買いかどうか?と
- 買うにあたって注意する事
などを、4つの項目に分けて書いていきます。どうぞご覧ください。
トランペットの選定品はズバリ”買い”か?
まず結論を言いましょう。あなたが以下の3つの条件に当てはまるなら、選定品は迷わず「買い」です。
- トランペットの良し悪しを、自分で判断できない初心者である
- 近くにトランペットに詳しい人がいない
- 予算に”かなり”余裕がある
すでにご存じかとは思いますが、「トランペットの選定品」と言うのは、
- 有名なプロトランペット奏者が
- 楽器店の手厚いバックアップを受け
- 何本もの”同じモデル”を吹ける環境で
選定されていることが多いです。
特に見逃せないのが、
・何本もの”同じモデル”を吹ける環境で
と言うやつですね。管理人レベルのアマチュアが楽器店に行ったところで、用意してもらえる同じモデルの本数は、2本が限界。
大概は「それ1本しかないんですよね~。」と軽くあしらわれるのがオチです。
そのために、管理人クラスだと、同じモデルを吹き比べるために、いくつもの楽器店を回るんです。
対して「有名なプロトランペット奏者」の場合、楽器店としてもブランドイメージをつけられるので、楽器店やメーカー側が、
数本から、すごい場合10本以上の「同じモデル」を用意して、
「どうか、選んでいただけませんか」と奏者にお願いして、選定してもらうわけです。
当然「アタリ」を引く確率は格段に上がります(特に外国製品の場合、違いがよく分かります)。なので、以下の条件
- トランペットの良し悪しを、自分で判断できない初心者である
- 近くにトランペットに詳しい人がいない
- 予算に”かなり”余裕がある
に当てはまるのなら、選定品を買っておくのが間違いないとは言えます。
ただし、選定品を買うには、「ちょっと高めのハードル」があるんですね。
その事を次の章で書きます。
トランペット選定品の”泣き所”とは?
“トランペットの選定品”の致命的な欠点と言えば、
「値段が高い」
この一言に尽きます。選定品として見かけるモデルって、基本的に、「トランペット本体が高い」です。
「安いモデル」とか「スタンダードモデル」の選定品って、ほぼ見かけないですから。
ヤマハはもちろん、外国メーカーのものでも、「税抜20万円以上のモデルから」が目安です。
なので、選定品を手に入れようと思ったら、
- 豊富な予算(30万円~40万円位)と
- 「挫折しないで続けるぞ」と言う強い決意
は必要でしょう。
参考までに、管理人が知っている限りでは、選定品がある「一番安いモデル」で、クイーンブラスの「ZORROシリーズ」と言うのがありますが、
(エリック宮城氏選定品、税込価格でも10万円でおつりがくる)。
正直、実際にお店で手に取ってみないと分からない部分があります(取扱店舗は首都圏と関西圏に集中)。品質と言うより、相性ですね。問題になるのは。
ちなみに管理人、”選定品ではない”クイーンブラスZORROトランペットを持っていますが、個人的には「良い買い物したな~」と思っています。
それと、トランペット本体の他にかかってくるのが、
- 選定料としてだいたい楽器本体+1万円程
- 「選定品を置いているような楽器店」に行くまでの交通費
ですね。
その辺もひっくるめて、「選定品は高い」という事は、心にとどめておいてください。
それと、”プロの選定品”をみつけても、なんか「モヤッ」とした感情を持つことがあると思います。
その辺を次の章で書いていきます。
“トランペットの選定品の信頼度”をみるバロメーターとは?
「確かに選定書のついたトランペット(選定品の事ですね)はある。でも…なんかモヤッとする…。」
これは、初心者さんでも十分に分かります。その「モヤッとした感情」の正体は、「このお店、信用できるのかなぁ…」と言う感情です。
- プロだから確かな目をもって楽器を選定できる反面
- プロも生活がかかっていますから「本当は書きたくないけど、事情があって選定書を書かなければならない」
場合も、ありうるのです。
なので、その前の段階、
「トランペットを選ぶことを考える前に、信頼できそうなお店を選んで下さい。」
と言う話になります。目安は
- お店全体の最低4分の1は管楽器の売り場である事
- 何階もあるお店の場合は、1フロアの2分の1以上は管楽器売り場である事
- 修理工房(リペア工房)が店内にある事
- トランペットのマウスピースの種類が揃っている事(ヤマハ11B4,14B4,バック7C,5C,3C位しか置いていない店はアウトです)
- ヤマハのスタンダードモデル(YTR2330,YTR3335,YTR4335G)を置いている事
- 店員さんから「トランペットに詳しいぞ」オーラが出ている事
ですね。
それと、トランペット選定品を買う時にさらに注意することがあります。
それを次の章で書いていきます。
トランペット選定品を買う時にさらに注意する事
トランペットの選定品には、「選定した奏者の選定書」がつくわけですが、その奏者が、
“あなたのやりたい音楽の奏者”と合っているかのチェックは必要です。
極端な話、吹奏楽やクラシックをやりたいのに、ジャズの奏者の選定書がついているモデルを買っても、
「なんか違う…」
と、思えることはありますので。
ただ、これはあくまでも「管理人個人の意見」になりますが、
「クラシック系、吹奏楽系奏者の選定書がついているモデルは、結構ジャンルを問わずに使える」
と言う意味でオススメです。
ジャズ系奏者の選定書がついているモデルって「かなりジャズ寄り」のモデルについている場合が多く、クラシック系を吹く時にちょっとコントロールが難しいのに対して、
クラシック系や吹奏楽系奏者の選定書がついているモデルは、クラシックや吹奏楽に限らず、オールマイティに使えるモデルが多いんです。
バックの180ML37はその代表例ですし、ヤマハのYTR9335CHSシカゴモデルは、クラシック用モデルなのに、ジャズ系の人にも一定の支持者がいます。
管理人もヤマハのシカゴモデルは「あれ…?ポップスでも使えるかな?」と思いました。
ご参考までに。
最後に
いかがでしたでしょうか。「トランペットの選定品って買い?」と言うテーマで、
- トランペットの選定品はズバリ”買い”か?
- トランペット選定品の”泣き所”とは?
- “トランペットの選定品の信頼度”をみるバロメーターとは?
- トランペット選定品を買う時にさらに注意する事
の4つの項目に分けて書いてきました。
正直言って、初心者さんが最初のトランペットとして「選定品」を買うのって、かなりハードルが高いと思います。
「選定品」そのものの値段が高いですから、万が一挫折した時のダメージは大きいです。
ヤマハの一番下のグレード「YTR2330」なら大ハズレはないですし、クイーンブラスの「ZORRO」も決して悪くはないと思うんですよね。
(ZORROに関しては、実際お店に行って手に取ってみることをオススメします。東京蒲田のジョイブラスが開発元になっていますので、ダントツで濃い話が聞けます。電話にて要在庫確認)
最終的には、あなたが「挫折しないで続けられそうかどうか?」で、選定品を買うかどうかを決めてください。