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特にトランペット初心者さんの頃って、休憩に入るの怖くありませんでしたか?
ほら、トランペットって一度休憩に入ると、吹き方を忘れて、音が出せなくなる事がよくありますし。
「あれ~?休憩に入る前は音、出てたのになぁ~。なんで?」
と言う感じで。
管理人も、専門学校で奏法をプロの先生に習うまでは、結構苦しんだんですよ。
でも、ふと考えてみれば、プロの先生に教わって奏法を変えてからは、
- 調子の良い、悪いの波がなくなったなぁ…とか
- 休憩後に吹けなくなるって事もなくなったような…
と思えたり。なんかいつの間にか改善されていました。
ただ、奏法そのものも変えたんですが、その時に原因や考え方も教わったんですよね。
という事で、この記事では、トランペットが休憩後に吹けなくなるをテーマに3つの項目について書いています。
どうぞご覧ください。
トランペットが休憩後に吹けなくなる原因とは?
まず、ざっくりと結論を出すならば、休憩後になぜ吹けなくなるかと言うと、
そもそもが吹いている時に色々と無理をしているから。
でしょう。
初心者さんの場合は、音を鳴らすための口の筋肉の使い方をまだ体が覚えていないので、休憩をはさんでしまえば、
「あれ?口の筋肉をどう使えば吹けるんだったっけ?」
と言う状態になります。これは練習をするしかないでしょう。
(本当は、この段階でプロのレッスンを受けるのが理想です)
問題は中級者さん以上の方で、休憩すると音が出なくなる症状が起きている場合ですね。
- トランペット歴2年以上
- 週3日以上は練習をしている
- 合奏やセッションの本番を3回以上やったことがある
くらいのレベルを中級者さんとしましょう。
こちらも「吹いている時に何らかの無理をさせている」のは初心者さんと一緒なのですが、コツコツ練習していると思いますので、
「まだ練習が足りないのです!もっともっと練習しましょう!」
で片付けるのは”あまりにも安直でひどい答え”と、管理人個人的には思えます。
ので、次の章以降で考えられる原因をあげていきます。
まずは楽器を疑ってみる
前の章であげた「中級者の条件」に当てはまる方で、それでも休憩後に音が出なくなる症状に悩まされているのなら、楽器、つまり、
- トランペット本体
- マウスピース
を疑ってみる必要があります。極端な話、
そもそも鳴らないトランペットなのに、なんとか鳴らそうとして「無意識のうちに」体に無理をさせている状態。
ならば、どんなに練習しようが、休憩後に吹けなくなることは起こって当然なわけですから。
トランペット本体なら、
- 管内が汚れていないか?
- ウォーターキー(つば抜き)のコルクやゴムがひび割れていないか?
- ピストンのフェルトがすり減っていないか?
- 大きな(5㎜以上)のへこみを直さずに吹いていないか?
- ハンダ付けされているところが取れかかっていないか?
- 落としたり、かなりの勢いでぶつけた覚えがないか?
(トランペットは一度落とすと、全体のバランスが狂うので、吹き心地が変わります)
など。
画像赤枠内がピストンフェルト(交換済)。
ここが減っていると、意外とフォームの崩れの原因になります。
フォームの崩れ=体に無理をさせている状態。
マウスピースなら、
- シャンクがゆがんでいないか?
- スロートやバックボアは汚れていないか?
など。
シャンクの図。赤枠の〇が変形していませんか?
もし、自分自身で出来ないとか、そもそもの正常な状態を知らないというなら、一度楽器屋さんへ持っていって点検(必要ならメンテナンス)してもらうことをおススメします。
(できればお手入れのやり方も教えてもらうと良いですね)
問題があれば修理してもらう事で、トランペットの休憩後に吹けなくなる問題も解決するかもしれません。
また、楽器に問題がない場合でも、どんな練習方法をすれば良いかが見えてきます。
「どんな練習をすれば良いか?」は個人個人で違ってきますので、できればプロにレッスンを受けることをおススメします。
(オンラインレッスンでもOKですので)
- トランペットやマウスピースの点検もした
- 必要な個所のメンテナンスをした
- プロの先生にもレッスンを受けた
なのに、「トランペットが休憩後に吹けなくなる」問題が解決しないのなら、どうするか?
次の章で書いていきます。
「オーバーブロウ」を疑ってみる
オーバーブロウとは、文字通り「吹きすぎ」で、トランペットや唇が一番効率よく鳴る状態を越えて、たくさんの息を入れすぎている場合ですね。
トランペットは音を鳴らすのが難しい楽器で、鳴らすコツを覚えるまでに、力任せに息を入れがちです。
ましてや、抵抗がすごいありますので、プロの方の指導を受けていないと、
「この抵抗に負けないぐらい強く息を入れないと鳴らないんだ!」
という発想に走りがちですし…。
それで、初心者の時に身につけてしまった、「オーバブロウで吹く癖」が、どんなにトランペット歴を積んでも抜けなくなっていて、
「いや~、いまさら直せと言われましてもですね~…、どうやって直せば良いのかわかなないんですよ~(汗)」
となってしまっているんですね。
そして、あなたの口や体に無理をさせている状態は初心者時代と変わらずで。
そうなると、やなり、休憩の時にその無理をさせていた部分が解放され、休憩後、無理がきかなくなり、
吹けない
と言う状態になるわけです。
直すための練習方法としては、pppでロングトーン(長さは伸ばせる限界いっぱいまで)が理想なんです。
が、特にアマチュア吹奏楽の現場だと、奏者個人個人が「自分の音を聞くこと」にしか意識が行かず、音量バトルになっている時も多く、しんどい場合もありますよね。
その時は別室に行くとかして、可能な限り実行してみてほしいです。
最後に
いかがでしたでしょうか。
「トランペットが休憩後に吹けなくなる」事について、
- トランペットが休憩後に吹けなくなる原因とは?
- まずは楽器を疑ってみる
- オーバーブロウを疑ってみる
の3つの項目に分けて書いてきました。
吹奏楽にしても、ポピュラー系のバンドにしても、まわりのメンバーの音(というか、ぺ-スのようなもの)に引っ張られると、
- 疲れる割合2倍増し
- 体の変な筋肉が突っ張りますし
- 精神的にも参ってしまう
となり、休憩をはさんでも復帰できず、音が出なくなる…なんてことも”あるある”ですよね。
もし、チャンスがあったら試してみてほしいんですけど、「プロと一緒に合奏」してみてもらいたいんです。
「え…、そんなの緊張して音が出せなくなる…」
と思うかもしれませんが、意外に楽な場合も少なくないんです。
- 変な音量バトルになる事もありませんし
- ピッチやリズムが安定していますし(「さすがプロだな~」と思います)
あなた自身が無理しなくても吹けることが多いんです。多分、休憩後に吹けなくなるという事もないはずです。
もしチャンスがあれば、試してみてください。