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トランペットを吹いていると、特に吹き始めて間もないころに、たまに言われるのが、
「なんかオンチに聞こえる…」です。
まあ…ほとんどの人は、
「トランペット吹けるんだ!すごいですね!」
と言ってくれるんですが、
一部の…、本当に一部の人の、
「なんかオンチに聞こえる…」
という一言のほうが、何倍も心に突き刺さるんですよね(管理人の経験から 泣)
それで、”ピッチ”なんてことを意識しはじめるんですが、
「どこから手を付けたらいいのか分からない。」
と、いうのが正直なところで…。あなたもそうではないでしょうか。
この記事では、トランペット歴が浅い方向けに、管理人が考える”一番効果的なピッチの修正方法”を、4つの項目に分けて書いています。
どうぞご覧ください。
一番簡単な方法は”歌をうたって録音すること”です
トランペットでピッチが合わない場合、
(本当は、チューニング自体は合わせていて、レの音やミの音、ラの音など、一部の音が合わない場合は、”音程が合わない”というんですが、ピッチの方が一般的に使われますので、あえてピッチという言葉を使います)
真っ先に言われるのが、
- 1.3番抜差管を必要な分だけ動かすとか
- 替え指を使うとか
あたりだと思うんですが、これって、
“しっかりと音を出せる人向けの方法”
なんですよね。
例えば、あなたが
- まだ音を出すこと自体に慣れてないとか
- そもそも「音が汚い」とか
いうところで止まっていて、「ピッチが合わない」からと、トリガーや替え指を使ったところで、かなりの確率でピッチの修正はできません。
ということで、あなたの中に、
- より正確なピッチをイメージできるようにする(イメージを持つことって、すごい大事です)
- よりトランペットでしっかりとした音を出せるようにする
ために効果的なのが、「歌を歌って録音すること」なんですね。
そもそも、「歌できちんと歌えないものを、トランペットで演奏したところで、うまくできるはずがない」んです。
なぜか? 次の章で説明します。
トランペットの音=(イコール)あなたの声なんです
すごいざっくり言ってしまうと、
- トランペット演奏は、「あなたの吐いた息がトランペットを振動させる」ことで音が出る(「唇を振動させてトランペットの音を出す」という表現は、個人的にはひっかかるので、あえてこう書いています)
- 歌は、「あなたの吐いた息が声帯を振動させる」ことで音が出る
わけで、振動させるものが、トランペットか声帯かの違いはあっても、基本的は音の出し方は同じです。
(乱暴な言い方ですが、そのくらいに思ってもらっていいです)
なので、
- 歌を歌ってきちんとしたピッチを出せないとか
- 歌を歌ってしっかりとした歌声を出せないとか
いう場合、そもそも
「音程や音色のイメージがあなたの中にできていない」
ということなので、
歌と同じく、”イメージをしっかりさせないと、ピッチや音色が安定しないトランペット”で、ピッチを安定させることができるわけがないんです。
なので、「あなたのできる範囲でかまわないので、できるだけ”楽譜の通り”に音程を取りながら、今練習している曲を歌ってみて」ください。
具体的にどうやればいいか?を次の章でお話しします。
トランペットのピッチをよくするための歌い方とは?
それでは、「どうやって歌うか?」をこの章で話していくんですが、その前に必要なものをあげます。
- 動画撮影ができるスマホ(または動画撮影ができるデジカメ)
- 練習している楽譜
- スマホスタンド(スマホで撮影する場合。100均で売っているもので十分です)
- 必要に応じて、カラオケボックスを借りる費用(自宅で歌えない場合)
そして、ここから具体的な手順です。
- スマホスタンドにスマホをセットする(ちなみに親兄弟友人知人がスマホを持ってくれるなら、そちらのほうがおススメです)
- 楽譜を持つ
- 録画を始める
- あなたが歌う
それで、歌う時なんですが、まず最初は、こぶしとか、テクニック的なものを一切考えずに、
- ピッチ(音程)を正確にとる
- おなかからしっかりと声を出す
この2点”だけ”を考えて歌ってください。そして、録画したものを再生して、「あなた自身であなたが歌った動画」を見ます。
どうでしょうか?
ほとんどの人が、「うわ…、我ながらひどい…」と、恥ずかしくて、すぐに動画を消去したい思いになるでしょう。
ですが、そこはこらえてもらって、「ピッチがどれだけとれているか?」だけに集中して、見直してみてください。
あとは、
- 楽譜をみて
- 歌って
- 録画して
- 再生したものを”あなた自身で見る”
1~4のくり返しです。何回かくり返すうちに慣れます。余裕が出てきたら、「しっかりと声が出ているか」も確認するといいでしょう。
それから、照明の具合によって、動画の一部がテカったりする場合もありますが、あなたの歌っている姿が最小限分かれば問題ありません。
また、カラオケボックスで歌うのなら、せっかくですので、楽譜の曲だけでなく、「カラオケで歌いたい曲を歌って録画したものを見る」のもいいですね。
そして、あなた自身が、ピッチを「だいぶマシにとれるようになったかな」と思えるようになったら、今度はトランペットをもって、歌って練習した、”今練習をしている楽譜”を演奏します。
どうでしょう、だいぶマシになってきていませんか?
ここからやっと、「ピッチが合わない」場合に、
- 1、3番トリガー(抜差管)を使うとか
- 替え指を使う
という手段が有効になってきます。
また、ピッチを合わせるのに直接効果はありませんが、「ピッチがあっているように見せる」方法が実はあります。
その方法を次の章で書きます。
「のびのびとトランペットを吹く」これが一番肝心です
ぶっちゃけ、あなたが「ピッチとかめんどくさそう…」と思っているのなら、
広いホールで吹くイメージを持ちつつ、やや大きめの音で、のびのびと吹くように心がける
という事をおススメします。正直言って、観客側の立場になった時、”のびのびと吹いているトランペット”を聞いていると、
「なんかいいな~、この演奏。ピッチとか細かいことを言えばキリがないけど、なんかそんなことどうでもいいや~(拍手)」
と、いう気分にさせてくれるんです。
それに、実際ピッチとか細かく気にしているお客さんて、少ないですしね。
(お客さんが「なんかオンチだ…」と分かるほどのレベルだと、かなりピッチがずれています)
なので、あなたが「ピッチとか気にするのが面倒」ならば、”のびのびと吹く”。この1点に絞って練習するのもよいでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
「トランペットのピッチを修正する」にはテーマに、
- 一番簡単な方法は”歌をうたって録音すること”です
- トランペットの音=あなたの声なんです
- トランペットのピッチをよくするための歌い方とは?
- “のびのびとトランペットを吹く”これが一番肝心です
の、4つの項目に分けて書いてきました。
正直言って、
- クラシック系のプロトランペット奏者とか
- ジャズやポップス系のスタジオミュージシャンをやれるクラスの奏者
- 「吹奏楽コンクール地方大会以上に毎年出場しているくらい」のレベルを持った吹奏楽団体
じゃないと、「トリガーや替え指を使いまくって、ビシッとピッチを合わせる」なんてことは、なかなかやっていないものです。
もちろん、あなたが、「プロのトランペット奏者を目指す」というのであれば、きちんとやる必要があります。
が、そうでないのなら、まずは、”のびのびと吹く”事を、一番に考えてください。