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「おまえのトランペット、そば鳴りしてるね。こっちまで聞こえてこないよ。」
管理人も、中高生の頃はよく言われました。これ。
自分じゃ結構いい音をさせてるつもりだったのに、聞こえないと言われて…。
客席に届かない音なんて、出していないのと一緒ですから、どうすれば”遠鳴りする音”を出せるか悩みました。
結局、この問題も専門学校に行って、プロの先生に教わったり、他の人の音を聞いたことで解決したんですが。
この記事では、昔の管理人と同じ悩みを抱えているあなたに、
- トランペットでそば鳴りになってしまう原因と
- 対処法と練習方法
について4つの項目に分けて書いています。どうぞご覧ください。
“きれいな音を出す”という意識にひそむワナ
「きれいな音を出す。」
ぶっちゃけ、この考え方が「そば鳴り」の最大の原因だったりします。
きれいな音を出すことに集中するあまり、「音を遠くに飛ばすこと」への意識がおろそかになるんですね。
トランペットのそば鳴りは、初心者さんと言うよりは、ある程度音を出せるようになり、
「音を出すこと自体」に使っていたエネルギーを、「音色をよくすること」に使えるようになったレベルの人がおちいりやすいワナで、
「音色を良くしたい」と言う思いから始まり、
- きれいな音をどうすれば出せるか
- 練習するうちに徐々にきれいな音が出せるようになってくる
- 「はぁ~やっときれいな音を出せるようになってきたなぁ~」と思う
まではいいのですが、いざ、大きなホールなどで吹く機会があって、後ろの席で聞いていた、
- 親
- 兄弟
- 親戚
- 友人
- 知人
- またはたまたま聞いていた知らない人
から、「え~と…、あなたの音、全然聞こえなかったよ。」と言われて、
「今までのきれいな音を出すための努力はなんだったんだorz」と、あなたが膝から崩れ落ちる状態の事ですね。
慣れないうちは、”きれいな音”と”遠くに飛ばせる音”の両立は難しいものです。
「”きれいな音を出す”というステップはクリアした。さて、次はどうやって”音を遠くに飛ばせるようにするか”」
くらいに気楽に考えましょう。誰もが通る道なのです。
で、肝心の「トランペットのそば鳴りを解決する方法」ですよね。次の章から書いていきます。
あなたのトランペットの音を録音してみる
「トランペットのそば鳴りを解決する方法」で真っ先にやってほしい事として、
“あなた自身のトランペットの音を録音する”というものがあります。
まず、あなた自身が”あなたの音”を知らないと、トランペットのそば鳴りを解消する方法を、思いつきようもないんですね。
別に専門的な録音機材とか用意しなくていいです。スマホのボイスレコーダーで十分です。
- すぐそばで録音したもの
- 遠くで録音したもの
の2つを聞いてみて下さい。まず、あなた自身の「音のショボさ」にかなりショックを受けると思いますが、
(これは管理人も体験していて、初めて聞いたときはかなり落ち込んだ覚えがあります)
そこはふんばって、乗り越えていただき、冷静に、
- すぐそばで録音したもの
- 遠くで録音したもの
を聞いてみて下さい。
で、音を聞いてもらったところで、実際の練習になります。
練習で大事なのは目線とイメージです!
それでは、どんな練習をすればいいか?なんですが、
- トランペットを吹く時は目線を正面に向ける
- たとえ2メートル先に壁があろうと、100メートル先以上に音を飛ばすつもりで吹く
- 音を矢のように打つイメージで吹く
他、具体的なアンブシュアとか、トランペットの持ち方とかあるにはあるんですが、活字だと誤解されるおそれがあるので、書くのは控えます。
まずは、上にあげたイメージをもって、練習するように心がけて練習してください。
そして、これを覚悟してほしいのですが、一度あなたが作り上げた「きれいな音」がくずれる可能性があります。
それを「あ!音が汚くなった」と戻そうとしないでください。またそば鳴りの音に逆戻りです。
その”汚くなった音”こそが、遠くに飛ぶ”本物のきれいな音”です。
実際、プロのトランペット奏者の音をそばで聞くと、結構息の音は多いですし、
モーリス・アンドレの音を楽屋で聞いた方の話を聞きましたが、「ほぼ、息の音しか聞こえなかった」と言うように聞いています。
マウスピースを変えることも検討しましょう
もし、コンサートやコンクールなどの「本番」が迫っていないのなら、マウスピースを変えることも検討してもらいたいです。
十分に息のコントロールができていないのに、大きすぎるマウスピースを使っている場合は、息が失速している可能性もあるので、
「あなた自身がトランペットを吹きやすい、”ギリギリ小さいサイズ”のマウスピース」を使ってください。
どのマウスピースが合うかは、個人差がありますので書くことはできません。
あなた自身が選べるなら、選んでもいいですし、選べないなら、やはりプロのトランペット講師かプロのトランペット奏者に相談してみる事をおススメします。
大きいマウスピースのだいたいの目安は
- ヤマハなら16番以上の”大きい番号”のもの
- バックなら2番以上の”小さい番号”のもの
なら、大きいかなと思います。息をきちんとコントロールできるのなら、吹きやすいし、音を飛ばせるマウスピースなんですが。
最後に
いかがでしたでしょうか。「トランペットのそば鳴り」をテーマに、
- “きれいな音を出す”という意識にひそむ罠
- あなたのトランペットの音を録音してみる
- 練習で大事なのは目線とイメージです!
- マウスピースを変えることも検討しましょう
と、原因とその対処法について書いてきました。
最後に、一番誤解してほしくないことを書きます。あなたの心にとどめておいてください。それは、
「音量を出せば何とかなるんじゃないの?」
と、安易に音量に頼らないでほしいのです。
実際音量を出したところで、後ろの席まで届くようなトランペットの音が出せるかと言うと、そうでもないですし、
届いたところで、「雑音」としか言えないような音なのは間違いないです。
そば鳴りの場合は、少なくとも近くで聞いている人にはきれいな音を聞かせることができますが、
「音量だけに頼った遠鳴りを目指した音」は、近くの人も遠くの人も「ひどい音」と悲鳴を上げる可能性が大なので。
小さい音(普段あなたが話す時くらいの音量)で、遠くへ音を飛ばす意識をもってトランペットを吹く。
これを心がけてください。