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トランペットセクションにおいて、「和音を出す」と言うのは、
- きちんと出た時には、耳が幸せになる瞬間であり
- 「トランペットやっててよかったな~…」と感動する瞬間でもあり
- 「練習頑張ろう。」と、モチベーションが上がる時間でもあり
1度、”あの響き”を覚えてしまうと、なかなか忘れられないものです。
ただ、プロの奏者でもない限り、「そろった和音を出せる仲間に恵まれる環境」に恵まれることは、そうそうあるものではなく、
身近な方に、話を聞いてみると、
「和音をそろえたいけど、どんな練習をすればいいのか、見当もつかない。」
と言う話も結構聞きます。
あなたも、同じ考えを持っていますか?
この記事では、トランペットで和音を練習する方法について、4つの項目に分けて書いています。
どうぞご覧ください。
和音練習よりも先にチェックする事とは?
和音の練習を考える前に、
「吹いている人全員が、のびのびと音を出しているか?」
このチェックは済んでいるでしょうか。
のびのびと音を出せていないのに、
- ピッチだとか
- 音程がそろっていないときに出る”音のうねり”だとか
を修正しに行ってもしょうがないというか…、そもそもできるはずがないんですね。
なので、和音の練習をやる前に、トランペットパートで「全員がのびのびと音を出せているか?」をチェックしましょう。
いちばん肝心なのは、「こわがって音を出せない人をなくすようにすること」です。
トップを頼るか?ボトムを頼るか?
ここからは「トランペットパート全員が、のびのびと音を出している」と、言う前提で話をします。
次に考えることは、「誰に合わせるか?」と、言う話になりますね。
この「誰に合わせるか?」の”誰”は、大きく分けて、
- トップ(1stトランペット、または、それより高音を担当している楽器)
- ボトム(3rdまたは4thトランペット、または、それより低音を担当している楽器)
の2つに分かれます。
「トランペットよりも、さらに低音を出せる楽器」がある
- 吹奏楽
- ビッグバンド
- オーケストラ
の場合は、トップ(1stトランペット)に合わせるのがおススメです。
サウンドの土台を、低音楽器にまかせることができますので。
逆に、ボトム(3rdや4thトランペット)に合わせた方が、おススメと言う場合もあります。
- ブラスアンサンブル
- ポップス系の音楽のホーンセクション
で、低音楽器が薄い場合(人数が少ないとか、同じ楽器でアンサンブルをやる場合とか)ですね。
- トップに合わせる方法は、きれいなハーモニーが出せる反面、線が細い
- ボトムに合わせる方法は、どっしりとしたサウンドが出せる反面、ごまかしがきかない
です。
1st~3rdや、4thトランペット奏者のレベルを見て、どちらにするのか、考えるのが良いですね。
最終的には、全員で息を合わせて、「誰に合わせるとか意識することなく」、ピタッと合わせられるようになるのが、理想ではあります。
次の章では、「より和音を合わせられる考え方」を、紹介します
作曲者の気持ちになって考えましょう
何を言いたいかと言うと、例えば、1st、2nd、3rdトランペットの吹いているフレーズが、「リズムは同じで、音の高さが違う」場合、
作曲者は、まず間違いなく、
「1st、2nd、3rdトランペットの和音が合って初めて出てくる倍音の響き」
を求めています。
図であらわすとこうなります。
「それぞれの音が鳴っている状態」を求めているのではなく
「それぞれの音が溶け合って初めて出てくる音」を求めている
例えば、3本のトランペットで吹いている場合、それぞれ、独立したトランペットの音と考えるのではなく、
「1本の音では未完成で、3本がそろって初めて完成するトランペットの音」
と、考えるようにしましょう。
演奏の練習をするよりも音楽を聞きこむ方が大事です
さて、和音の練習とか言うと、
- ピッチ感覚の鍛え方とか
- どうすれば合うのか
とかいう、「どうやって練習するか?」を、考えがちですが、
(すごいざっくりと言えば、うねりがなくなった時が、和音が合った時ではあります)
そもそも「和音がそろった時の鳴り方」が、あなたの頭の中にイメージできていないと、できるはずがないんですね。
なので、とにかく音源を聞きこむことです。
「トランペットをもって練習する時間の10倍」は、聞く時間にかけてもよいでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
「トランペットでの和音練習方法」をテーマに、
- 和音練習よりも先にチェックする事とは?
- トップを頼るか?ボトムを頼るか?
- 作曲者の気持ちになって考えましょう
- 演奏をするよりも聞く方が大事です
の、4つの項目に分けて書いてきました。
和音の合った状態がどうとか、ピッチの合わせ方がどうとか、そういう技術的なことを言う前に、
- 奏者全員が音をのびのびと出す
- 「誰に合わせるか?」をはっきりさせる
- 吹くより聞く方が大事!
上に書いた3つの事をやって、初めて、技術的な練習と言うステップに行ける。という話ではあります。
じゃないと、和音が合う日はまずやってきません。
また、和音を追求したければ、プロの先生に教わりにいきましょう。