「トランペットを吹く為の呼吸の練習」なんて言うと、今は誰もが口をそろえて、
「腹式呼吸(おなかをメインに動かして呼吸する方法)をマスターしましょう~!」
と言いますよね。
あたかも、
「腹式呼吸をマスターしないと、トランペットが吹けない!」
とでも言わんばかりに。
正直言って、
「トランペットを吹くにあたって、腹式呼吸をマスターできれば、それにこしたことはない」
のは確かなんでしょう。でも、中には、
「生まれながらに胸式呼吸(胸をメインに動かして呼吸する方法)」
をしてきた人がいて、その人たちの数が、かなりいるのも事実なんです。
(日本人の場合、女性には「胸式呼吸」の方が圧倒的に多いようですね)
で、例えば「中学校の吹奏楽部でトランペットを始めました~」と言う時、胸式呼吸だった場合には、
「おぎゃー!」と生まれて約12年間「無意識にやっていた」呼吸を、”意識的に”修正しなければならないわけです。
「トランペットを吹く時は腹式呼吸の方がいい…。分かってるよ…。分かっているつもりなんだけど、どうしてもできないんだよ!」
という方がいても、全くおかしくはないんです。
もしかして、あなた、それで苦しんでいますか?
管理人、ここで言わせていただきます。
「胸式呼吸でトランペット吹いてはまずいんですかね?」
と。
・プロのトランペット奏者になりたいとか
・音大にトランペット専攻で受けます
とか言うのなら、腹式呼吸に直す必要はあるかもしれません。でも
・プロのトランペット奏者になるつもり全くないとか
・完全に趣味と割り切って楽しんでやるつもり
の人に、腹式呼吸のメリットもロクに伝えずに「直しなさい!」と言い聞かせたところで、直せるもんでもないと思うんですよね。
で、逆にあなたが「腹式呼吸に直しなさい!」と言われている側の立場だったとして、
「なんで腹式呼吸にしないといけないの?」と思っていたりしませんか?
このカテゴリでは、いわゆる「腹式呼吸に修正したい」と思っている方に対しての、方法的なものも書いていますが、
・プロのトランペット奏者になりたいとか
・音大にトランペット専攻で受けます
という事は絶対になく、「趣味で楽しくやるつもり」と割り切れるならば、呼吸方法なんかを先に学ぶよりも大事なことがあるんです。それは、
「きれいな音と言うか、あなたの思いえがく”理想の音”を出すにはどうすればいいか?」
を考える事。
それを考えて、練習して「今の呼吸方法では”理想の音は出せない”」と、あなたが感じた時に、はじめて
「腹式呼吸…、やってみようかな…」と、考えてもらえばいいんです。
とかくトランペットなどの管楽器をやっていると
「腹式呼吸が大事。腹式呼吸をマスターしなければだめだよ。」
と、言われます。が、
そもそも「腹式呼吸ってどんな呼吸法なの?」と、聞かれてすぐに答えられる人が、一体どれくらいいるんでしょうか?
・プロの西洋音楽で使われる管楽器奏者(トランペットに限らない)なら答えられますね。
・プロの声楽家の「腹式呼吸」は管楽器演奏に置き換える時に、応用力が必要に思えます。
アマチュアで答えられる人は…、いるんですかね。
そういう管理人も、「答えられない人間」の一人です。なので、このカテゴリに書いている内容も、あくまで一つの意見でしかありません。
管理人も普段トランペットを吹いている時は「腹式呼吸”らしき”呼吸」は、していると思います。
が、いまだに研究途中ではあります。そのために、
「Science of Breath(邦題:呼吸の科学 ヨガの呼吸法を書いた本で、プロトランペット奏者に愛読者が多い本です。ただし英語で日本語翻訳版はありません)」
を、Google翻訳を使いながら、何とか読み解いている最中です。
そもそも「トランペットを吹く時には腹式呼吸で吹きましょう」って簡単に言いすぎですよね。
「腹式呼吸ってどういう呼吸の事を言うんですか?」と聞かれたときに答えられない人が、簡単に使っている印象を受けます。
何かの本に書いてあったのですが、ジャズトランペット奏者のメイナード・ファーガソンと言う方が、誰かに言ったらしいのですが、
「知っているかい?世界中の人間で”正しい呼吸”をしている人は、5%もいないんだよ。」
と。
世界の全人口の5%と言うと、約3,000万人。その3,000万人の中に、管楽器奏者は何人入っているのか?
(参考までに日本の吹奏楽人口は約120万人。3,000万人あたりに占める割合は、かなり多いですね。他にもオーケストラ、ジャズなどの管楽器奏者もいるわけで)
つまりは、日本の管楽器奏者の中にも、「正しい呼吸をしていない人」は、かなりの割合でいると思われます。
では、おさらいと行きましょう。
・管楽器奏者全員が「正しい呼吸」をしているとは限らない
・腹式呼吸が「絶対に正しい呼吸法」とは限らない
・トランペットにおいて呼吸法というのは「理想の音を出すための手段」に過ぎない
そして、つまるところ、
「趣味でトランペットを楽しんでいて、現状、あなたの納得いく音が出せているのなら、”腹式呼吸”にこだわる必要はない。」
という事です。
その上で、「何かヒントが欲しいな~」と思えたら、このカテゴリの記事を読んでみて下さい。
もちろん、参考にならなかったら、即、ブログを閉じて頂いて結構です。遠慮はいりません。
では、どうぞ。