この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。
「メイナード・ファーガソン」ってトランペット奏者、ご存じですか?
「当然知ってます!」の方もいれば、「う~ん…、よく知りません」の方もいるかと思います。
トランペット奏者はたくさんいますし、”聴くより吹く方が好き”な方には、あまりなじみがない名前かもしれません。
でも、「メイナード・ファーガソン」の名前を知らない方でも、「メイナード・ファーガソン」の曲を聴くと、
「あ!この曲吹いてる人なんだ~!」
と多くの方は思えるはずです。
むしろ、トランペットを吹いていない人ほど「メイナード・ファーガソンの曲」を知っているかもしれません。
日本でそこまでメイナードファーガソンの曲が有名で聞かれているのか?
管理人の個人的な感想”かなり多めで”、考えられる理由を3つの項目に分けて書いています。
どうぞご覧ください。
「ウルトラクイズのテーマ曲」が有名すぎる
日本でメイナードファーガソンと言えば、
「アメリカ横断ウルトラクイズのテーマ曲(スタートレックのテーマ)」を吹いた人
として有名すぎるほどに有名な人です。
- メイナードファーガソンの名前を知らなくても
- そもそもトランペットやジャズに興味がなくても
ウルトラクイズのテーマを聞かせれば、
「(昭和、平成初期生まれ世代なら)ああ!この人なんだ!」
と納得してもらえるほど、有名な曲を持っている人でもあります。
ちなみに高校生クイズの曲(曲名:ハリウッド)もメイナードファーガソンの曲です。
(ちなみに管理人が高校生クイズの曲を初めて聞いた時は、「ラストの実音ハイGの吹きのばし」にびっくりした記憶があります)
その他にも、
映画やテレビのテーマ曲カバー
- スターウォーズ
- スーパーマン(テレビドラマ版)
- 宇宙空母ギャラクティカ(テレビドラマ版)
- ロッキー(ロッキーのテーマ)
などや、ポップやロックアーティスト
- マイケル・ジャクソン
- サイモン&ガーファンクル
- シーナ・イーストン
のカバーなどもやっています。
また、「Coquistador(征服者)」と言う曲は、プロボクサー時代の具志堅用高さんの入場テーマ曲としても有名です。
日本人にもなじみの深い曲をやっている事が、メイナードファーガソンの曲が知られている理由でしょう。
また、メイナードファーガソンの曲は「ジャズ」のカテゴリーに入ります。
「ジャズ」そのものは(日本においては)結構マニア向けの音楽ですが、それでもメイナード・ファーガソンの曲は比較的ジャズ好きじゃない方にもよく聞かれているように思えます。
その理由を次の章で書きます。
「とてもとっつきやすい」ジャズの曲
メイナードファーガソンは「ジャズ」のトランペット吹きなのですが、リリースされているほとんどの曲が、
(ジャズとしては)かなりとっつきやすい印象
があります。
日本でジャズと言うと(管理人の偏見が”かなり”入りますが)、
- オジサンが
- 酒を飲み、タバコを吸いながら
- 眉間にしわを寄せて
- 難しそうな顔をしながら
聞いている音楽というイメージで、若い世代の方には受け入れにくい印象があります。
ですが、メイナードファーガソンの曲のほとんどは、ウルトラクイズの曲に限らず、分かりやすく聴きやすい曲が多い印象があります。
「ジャズってなんか難しそうなイメージがあるよね~…」
と思う方は、メイナードファーガソンから入ってみるのもおススメです。
「ハイノートだけじゃない」メイナードファーガソン
メイナードファーガソンと言うと、「ハイノートヒッター(高音を得意とする人)」として有名です。
トランペットを吹いている人99.999%が「高音へのあこがれ」を持っている中で、メイナードファーガソンはそれだけでも憧れの人なわけです。
ですが、メイナードファーガソンは「ただ高音が出せるだけの人」ではなく、
- 圧倒的な「歌心」を持っていて
- 音色そのものの太く暖かい(さらに音圧がすごい)
のです。
高音が得意な上に、「高音を聴かせるための歌い方」がハンパじゃなく上手いんですね。
ウルトラクイズのテーマは、吹奏楽の楽譜(ニューサウンズ・イン・ブラス)にもなっているくらいで、アマチュアでもあの高音域を吹ける方はいるかと思います。
でも、メイナードファーガソン本人の演奏と比べると「何かが足りない感じ」がする…。
そこで出てくるのが「歌心」なわけです。
高音の出てくる「見せ場」のずっと前の段階からきっちりと歌い上げ、
聴く側「さあ…高音が来るぞ…来るぞ…来るぞ…」
ファーガソン「さあ…高音行くよ…行くよ…行くよ!!」
と、さながらオペラの聞かせどころで”歌うように”高音を決める。
(メイナード・ファーガソンの高音の向こうには、景色や物語が見えるというか…)
これが「メイナードファーガソン=ハイノートヒッターの代表」の様に言われている一番の理由でしょう。
実際、メイナードファーガソンがよく聴いていたものとして、
- オペラの曲や
- バイオリンのソロ曲
をあげているようです。
オペラやバイオリンのソロ曲を聞いてみると、何となく見えてくるものがあります。
(メイナードファーガソンが聞いていたか確かではありませんが、プッチーニの「誰も寝てはならぬ(できればパヴァロッティ版)」あたりは分かりやすい例かと思います)
最後に
いかがでしたでしょうか。
メイナードファーガソンの曲が日本で有名な理由について
- 「ウルトラクイズのテーマ曲」が有名すぎる
- 「とてもとっつきやすい」ジャズの曲
- 「ハイノートだけじゃない」メイナードファーガソン
の3つの鵜目に分けて書いてきました。
メイナードファーガソンのジャズ曲が日本で有名な理由をまとめますと、
- とっつきやすい、聞きやすい印象があり
- ウルトラクイズに代表されるようにテレビ映えする曲
- 聞く人間の心につきささる高音
- 有名な曲のカバーが多い
でしょうか。
でも、それだけじゃここまで有名になるわけはなく、日本の聴衆につきささる
- 確かなテクニック
- 暖かく太い音色
- 歌心
というジャズトランペットプレイヤーとして欠かせないものがあってこそ、ここまで受け入れられたのでしょう。
また、よく探してみると、ジャズのスタンダード曲もやっているので、その演奏を聞くと
「ああ、やっぱりメイナードファーガソンは”ジャズトランペット奏者”なんだな」
と、改めて確認できたりもします。