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トランペットのマウスピースって、
- 「なんであんなに値段が高いの?」とか
- 「なんであんなにズシっと来るの?」
とか、思ったことがありませんか?
あのマウスピース、真鍮の棒から「削りだして」作っていますよね。それも「0.0何ミリ」の精度で。
よくあんなに細かい加工ができるもんだと、管理人、感心します。
そして、トランペットの音を決める「めちゃくちゃ重要なパーツ」でもあり、値段が高いのも、仕方ないのかなとも思います。
さて、そのマウスピース、なぜ真鍮製が多いんでしょう?
この記事ではそのことについて、3つの項目に分けて書いています。
どうぞご覧ください。
マウスピースが真鍮でできている理由とは?
トランペットのマウスピースが真鍮(しんちゅう)で作られている代表的な理由として、
- 響き
- 加工のしやすさ
- 保管のしやすさ
- 強度
- 値段
の5つがあげられます。
(ちなみに、真鍮とは”銅”と”亜鉛(あえん)”の合金で、「トランペット本体の材料」としても、一番多く使われています)
特にトランペットの場合、マウスピースのメーカーは他の金管楽器とくらべても多いです。
つまり、
それだけ「作っている人(職人さん)も多い」というわけで、今の真鍮製にたどりつくまでに、色々な材料で作られていますね。
そして、その”作っている人”たちが、
「やっぱりマウスピースは真鍮製だよね~。」
と言う結論に行きついているわけで、あと数十年(いや…数百年ですかね)くらいは、大きく変化はしないんじゃないかと思われます。
次の章では、真鍮製”以外”のマウスピースについて、
- どんな材料で作られているか?
- なぜ普及しなかったのか?
について、書いていきます。
真鍮以外の材料で作られているマウスピースとは?
「なんで、真鍮製”以外”のマウスピースがないんだろう?」
これは、あなたも一度は考えたのではないでしょうか?もちろん管理人も考えました。
そして、今まで「トランペットのマウスピースを作っている人たち(職人さん)」も、当然考えたわけで、実はいろいろな材料でマスピースが作られています。
ざっくりあげると、
- プラスチック
- 木
- 銀
- アルミ
その他に、管理人は見たことがないですが、
- 鉄
- アクリル
などもあるようです。さがせば、まだ見つかるんじゃないでしょうか。
プラスチックはヤマハから、「TMP-TR」という型番で発売されていますね。
(ただし、練習用マウスピースだそうです。1種類しか出てないですしね)
その他「ブランド」と言うブランドから(ややこしい…)、樹脂製が何種類か出ています。
- 木
- 銀
- アルミ
は、本当に見ただけです。さわったり、吹いたりするのがちょっと怖かったというか…。
つまりそういう事なんでしょうね。
という事で、次の章で、「真鍮製以外のマウスピースが普及しなかった理由」を書いていきます。
真鍮製以外のマウスピースが普及しなかった理由とは
ズバリ、「取り扱いが難しい」からでしょう。
- 木は、雑な保管をするとひびわれそう…
- 銀は高級そう…
- アルミって、変形させたら修理がきかなくて、買い替えるしかないんじゃなかったっけ…
プラスチックだって、長い間使えば弾力性がなくなり、シャンク(トランペット本体に差し込むところ)から、「パリッ」と行きそうだし…。
シャンクとは(画像はPIXTA様より有料で購入しています。無断使用を固く禁じます)
それに、多く作られていないので、値段が高いです。
(機械を使って大量生産すればするほど、安くなるのは”あるある”です)
それに、
トランペットのマウスピースは、「0.0何ミリ」の精度で作られているものなので、真鍮が一番加工しやすかった。
というのもあるようですね。
そして、いろいろ試した結果、真鍮が一番響きが良いようです。
「トランペットのマウスピースに真鍮が使われる理由はわかった。でも、使えない人もいるよね。」
と、思いましたか?
という事で、次の章で”真鍮製のトランペットマウスピースが使えない方”のパターンと対策を書きます。
金属アレルギーの方がトランペットを吹くには?
マウスピースに使われている真鍮は、前にも書いた通り
- 銅
- 亜鉛
の合金です。それで、この”銅”と”亜鉛”なんですが、どちらも、「金属アレルギーを比較的起こしやすい金属」なんですよね。
そして、多くのマウスピースには”銀メッキ”がかかっていますが、「銀メッキのかかったマウスピースで金属アレルギーを起こす方」も多いようです。
対処法は、「マウスピースに金メッキをかける」事なんですが、ここで注意点があります。
- 金メッキの実績が豊富な楽器店に依頼する事
- 通販では買わない事
- オークションや、フリマアプリの物には手を出さない事
- 必ず新品を買う事(またはあなた自身で金メッキを依頼する事)
金メッキをすることで、金属アレルギーを起こす確率を「少なくすること」はできますが、「ゼロ」にすることはできないんです。
- メッキをする金の純度(24Kとか18Kのように純度があります)とか
- ていねいにかけてくれるかとか
を見分けるのが精いっぱいの対策ですが、アマチュアでできる方は限られているでしょう。
- 詳しいプロの意見を聞くか
- 専門家である管楽器店の店員さんに聞くか
が、間違いのない方法です。
それから、中古だと、当然”いくらかは金メッキがはげている”わけで、最悪「もう一度金メッキをかけ直し…」と言う事もありうるわけです。
金属アレルギーを起こしたくなければ、慎重に行きましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
「トランペットのマウスピースはなぜ真鍮製が多いのか?」をテーマに、
- マウスピースが真鍮でできている理由とは?
- 真鍮製以外のマウスピースが普及しなかった理由とは
- 金属アレルギーの方がトランペットを吹くには?
の3つの項目に分けて書いてきました。
管理人も”トランペット吹きあるある”で、何十本もマウスピースを、
- 買って
- 試して
- 売って
(以下くり返し)
を、したわけで、「あ~、やっぱり真鍮製がいいよなぁ~」などと、ぼんやり考えながら、この記事を書きました。
あ、そういえば、リム(唇に当たる部分)のメッキが、もしはげてきたら、早めに手を打った方がいいでしょう。
金属アレルギー対策もなんですが、真鍮むき出しのマウスピースで吹いていると、
「唇にうっすらと緑の跡がつく(たぶん緑青と言う錆です、あんまり気持ちのいいものではないです)」
と言う、怖い体験をしていますので。