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「マウスピースが真ん中に当たってない、直しなさい!」と、言われた。
「音は出ているけど、マウスピースが真ん中に当たっていない、いいのかな…」と悩んだり。
この記事にたどりついたという事は、このどちらかのパターンで来られたのではないでしょうか。
いきなり結論言っちゃいますが、
「マウスピースを真ん中に当てる事にこだわる必要」なんか、どこにもありませんよ^^
プロのトランペット奏者(“クラシックでも”です)でも、真ん中でない方なんてたくさんいますしね。
…
とはいっても、管理人のこの言葉、あなたは素直に聞けますか?
「顧問の先生や先輩に言われてどうすればいいか悩んでるんですよぉ…」とか
「とはいってもさぁ…、やっぱり心配なんですよね~」とか
なんて事情をかかえて、”どうすればいいか、わからない”と言うのが本音でしょう。
なのでこの記事では、その辺の考え方と対処法を3つの項目に分けて書いています。
どうぞご覧ください。
トランペットの吹く一番の目的は”音を出すこと”です
ハイ!見出しの通りで、トランペットは楽器である以上、「音を出せてナンボ」なんです。
何を言いたいかと言うと、つまり、
「音を出すのがいちばん大事。フォームは2の次」
と言う事なんですね。
この”フォーム”の中には当然、マウスピースの当てる位置も含まれています。
- 真ん中に当たっていないが、あなたは気持ちよく吹けている
- 真ん中に当ててみたが、そうするとまるっきり音が出ない
なら、迷わず「1番」を選びましょう。
「いや…、そうはいっても、正しいフォームで吹かないと、あとあと直すのが大変だって聞いてるけど。」
そういうご意見もあるでしょう。あなたの言い分ももっともです。が、
そもそも「正しいフォーム」っていう言い方が間違えていますし、
(正しくは「あなたが音が出しやすく、気持ちよく吹けるフォーム」ですね。ひとりひとり違うんです。正しいフォームって言うと、”ひとつしか答えがない”ように聞こえますよね)
「あなたが音が出しやすく、気持ちよく吹けるフォーム」の見極めは、プロに直接で教わらないと、まず見つけることは不可能です。
これは断言できます。
なので、プロに教われる環境がないのなら、
- あなた自身が気持ちよく吹ける
- あなた自身が一番音を出しやすい
マウスピースを当てる位置をさがしましょう。それで、
「マウスピースが真ん中に当たってないよ!」
と言う声は基本的に、”無視できるなら無視して”ください。
(吹奏楽部で、顧問の先生とか、先輩から言われるとキツイとは思いますが、社会人のあなたならできますよね^^)
マウスピースを当てる位置と言うのは変化していくもの
これは初心者さんに限らず、中上級者やプロですら、いまだに悩んでいる方がいます(もちろん管理人も)。
ズバリ言うと「最初から、あなたにピッタリのマウスピースの位置が見つかる」なんてことは、まずないんですね。
特に初心者さんは、
- トランペットを「吹くための筋肉がまだできていない」ですし
- トランペットを「吹くための筋肉の使い方も身についていない」
わけで。
練習するうちに「吹くためのコツ」を身につけていく途中で、マウスピースを当てる位置が少しづつ変わっていくことは、十分あり得る事なんです。
そして、練習して、「ある程度あなたが気持ちよく吹けるポイント」を見つけた時、
その時のマウスピースの当たっている位置が”真ん中ではなかった”としても、それを受け入れてください。
なぜかというと、その位置が練習の末、
あなたの体が「この位置で吹くのが一番いいな~」
と見つけた位置だからです。
ぶっちゃけ言うと”体が欲しがっている”わけですよ。
ただ、あなたが、それからずっと練習を続けていくと、そのマウスピースの位置では
- 高音が出しにくいとか
- リップスラーがしにくいとか
- タンギングが不鮮明とか
何かしらの”カベ”に当たる可能性はあります。なんですが、カベに当たったら、その時に考えればいいんです。
管理人もそうですが、人間、「カベに当たらないと、何とかしようと思わないもの」ですから。
それと、カベに当たる前に
- 「今のマウスピースの位置では、いずれカベに当たるので、今のうちに直しておきましょう」とか
- 「一時期吹けなくなりますが、後々の事を考えたら、今のうちに直しておきましょう」
とかいう言葉を投げかけてくる指導者や先生もいますが、あなたが、
- 音大を目指していて、ゆくゆくはプロのトランペット奏者になりたい
- 教わっている先生が音大への入学者を”多数”出している実績のある先生である
の2つの条件がない限りは、基本「ハイと返事して聞き流す」のが得策です。
よく言われるのが、
「音大に行って、プロトランペット奏者に”本気で”なろうと思っているのなら、中高で吹奏楽などやっているヒマはない。」
ですが、これは本当です。
管理人はポップス系の専門学校で、「ロック、ポップスのトランペット」を教わりましたが、真っ先に挫折していったのが、「吹奏楽コンクールで輝かしい成績を残した人達」でした。
(ちなみに管理人のいた中高は県大会へ行くと”お祭り騒ぎをする”レベル)
「楽譜に書いている事」は、管理人よりもはるかに上手く吹くんですが、アドリブなどの楽譜に書いていない事や、進行の変更など、「楽譜に書いていない想定外の事」にあたると、全く吹けなくなる…。
→ついていけなくて、いつの間にか学校に来なくなっている。
音大でクラシックを専攻した人も、「吹奏楽コンクールでの輝かしい実績」を、”ぶちのめされる”ところから始まると聞いています。
(だいいち、もっと根本的な”西洋音楽の基本”を勉強しないと、「吹奏楽だってきちんとやれないはず」なんですよね)
話が少し横にそれましたが、マウスピースの位置をあなたが「頼みもしないのにアドバイスしてくる」人がいたら、
その人の経歴は聞いていた方がいいでしょうね。
「マウスピースを真ん中に当てる!」と言う人に対抗する手段とは?
一番確実な方法は、
- プロトランペット講師
- プロトランペット奏者
に教わる事ですね。そうすれば、
「今のマウスピースの位置は、プロの先生に”問題ないって”言われています。」
と一言返せば終わりです。
プロの方も、「フォームより、音が出せている方が大事」と考えている方が多数で、フォーム変更にしても、
「こうすると、もっと音を出しやすくなるかもしれませんね。」と”提案するにとどめる”方が多数です。
マウスピースの位置変更は、プロは正直「手をつけたくない事のかなり上位」に考えているはずです。
「マウスピースの位置を変更することによって、あなたの音が一生出なくなるかもしれないリスク」
を背負う覚悟を、プロとはいえ、さすがには持てませんから。
なので、簡単に「マウスピースを真ん中に当てなさい!」と言う人は、トランペットの指導者としては”シロウト”であると言う事です。
あなたは
- プロの言う事と
- シロウトの言う事
どちらを信用しますか?考えるまでもないですよね。
その”シロウトの指導者の機嫌”をものすごく損ねるかもしれませんが、社会人なら「よその吹ける場所へ行けばいいだけ」の話です。
さらに言うなら、その場所は「吹奏楽団」である必要もないわけです。
最後に
いかがでしたでしょうか。「マウスピースを当てる位置は、真ん中にこだわる必要はない」と言う事をテーマに、
- トランペットの吹く一番の目的は”音を出すこと”です
- マウスピースを当てる位置と言うのは変化していくもの
- 「マウスピースを真ん中に当てなさい!」と言う人に対抗する手段とは?
の3つの項目に分けて書いてきました。
本当にプロやトランペットに詳しい指導者ほど、
- マウスピースを当てる位置は、真ん中にこだわる必要はない事と
- 簡単に「マウスピースの位置を真ん中に矯正する危険性」
を知っています。
簡単に
「マウスピースを当てる位置を真ん中に直しなさい!」
と言う方は、その一言が、
「あなたや他のトランペット初心者さんのトランペット生命を終わらせるかもしれない。」
と言う、”責任や自覚”があって言っているんでしょうかね…。
ちなみにプロトランペット講師や奏者で、簡単に、
「マウスピースを当てる位置を真ん中に直しなさい!」
と言う方がいたら、その方は医者でいうところの「ヤブ医者」です。とっとと他のプロの先生をさがしましょう。
(まず、いないとは思いますが…)