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「大事なところで音を外した…」と言う経験
「本番で音を外したくない…」と、眠れない夜を過ごした
こんな経験をした、または”今まさにこんな状況”にあっていたりしますか?
トランペットの場合、ソロにしても、セクション(パ-ト)にしても、音を外すと”めちゃくちゃ目立つ”わけでして、プレッシャーハンパないですよね。
管理人も、吹奏楽ではよほどのことがない限り、音を外す事はなくなりましたが、ポピュラー系の、
- バンドでのソロ
- 実音ハイB(べー)付近を多用する曲とか
では、同じような思いを未だにしています(音域がめっちゃ高いんですよ…)。
そんな”音を外しがち場面”にあって、管理人自身も失敗を繰り返して、その経験から「音を外す時」には、
- どんな原因が考えられるのか?
- どうやって切り抜けているのか?
それを3つの項目に分けて書いています。どうぞご覧ください。
音を外すときにありがちな事とは
まず、トランペットで音(高音)を外すときにありがちな事とは、主に以下の3つ、
- 音を出すための筋肉ができていない
- ピッチが下がっていることに気がついていない
- 練習の時と本番の時との「音量」の差
が、あげられます。ざっくり説明しますと、
1.音を出すための筋肉ができていない
は、読んで字のごとくで、必要な筋肉がついていないと、どちらにしても上手く出来ないものです。
(音を出すための「ふんばり方や力の抜き方」は諸説ありますが、どちらにしても”必要な筋肉”は存在します)
解決方法は、「ひたすら練習する」しかありません。
2.ピッチが下がっていることに気がついていない
特に、高音へ行けば行くほどなんですが、慣れないうちはピッチが下がり気味になります。
ミドルD(inB♭→楽譜参照)より上が特になりやすいですね。
(この楽譜の音より上ですね)
そして、一生懸命下がったピッチを修正しようと、無意識に唇を締めてしまい、コントロールが効かなくなり、結果音を外しまくる。と言うのがお約束です。
- セクション(パート)で1stを吹いている場合
- ソロ(ジャズコンボやピアノ伴奏など)を吹いている場合
は、
「まわりにばれないように、こっそりとチューニング管を入れて、ちょっとだけ音を高めにとる」
という技でしのぐことが可能です。
3.練習の時と本番の時との「音量」の差
これはほとんどの場合、「本番の時に吹きすぎてしまい、音量が上がります」ね。
主な原因は、本番で緊張してしまうことで、自分や周りの音を聞く余裕がなくなる事です。
そうなると、
- 自分が間違えずに吹けているか不安になる
- 自分の音をとにかく聞きたい
という事で、それをなんとかしようと、どんどん音量を出して、吹きすぎてしまいます。
吹きすぎると音を外す確率は格段に上がりますね。
(また、吹きすぎると、ピッチが下がり気味にもなるので、なおさら音を外しやすくなります)
これの対処法は、
・あらかじめ音を外しがちな部分を、「1オクターブ下げる」練習をふだんからしておく
・本番での高音の限界は「練習の時に出せる音の5音下くらい」だと、自分に言い聞かせる
です。
また、吹奏楽の場合は、
木管楽器ときちんと合わせることで、「トランペットが頑張らなくても良い編曲」
になっている場合が多いです。
デモ音源があればよく聞いてみましょう。
それから、ここからは管理人の経験談が主になります。読んでみて「共感できないな~」と思えたら、読み飛ばしてください。
次の章では、初心者さんや、トランペット歴の浅い方が外しがちな「特定の音」について書きます。
外す音のレギュラーメンバー一覧
今からあげる音なんですが、「良く外すよなぁ…」と思えたことありませんか?
出したい音=ミドルD→外すと「プス」っと、音が出なくなる。
出したい音=ミドルE→外すと、チューニングの”ド”の音が出てしまう
出したい音=ミドルG→外すと、ミドルEの音が出てしまう
出したい音=ミドルF→外すと、ミドルDの音が出てしまう
出したい音=ミドルA→外すと、ミドルGの音が出てしまう
出したい音=ハイC→外すと、ミドルA♭が出てしまう
上にあげた例だと、ミドルDを除いて全部「出したい音と外す音が、同じ指使いで出せる」と、いう特徴があります。
対処法としては、「外した方の音をあえて出す」練習がおススメです。
楽譜で書きますと、
ミドルD→1、13
ミドルF→1、13
ミドルE→0、12、3、123
ミドルG→0、13、12
ミドルA♭→1、0、123、
ですね。「ふだん使う指使いの他にも、別の指使いでも出せる」という事実を知るだけでも、音を外す問題は解決できる場合が多いです。
それから、音を外す原因は、「自分のペースで吹かせてもらえない」という事でも、起こることがありますね。
例えば、音量(大きすぎても小さすぎても音を外す)。それともうひとつバカにできないのが音質です。
次の章では、音質によって音を外すパターンをあげていきます。
耳の良い人が陥りがちな「高音を外す」罠
※注
この章も、管理人の経験談が主な内容になります。「合わない」と感じたら読み飛ばしてください。
(高音関係は、とにかく”方法論や意見”が多く出ていますので、慎重に取り組むことが重要です。一つ間違えると、トランペット奏者生命が終わります…)
- 自分の音がまわりの音に比べて「明るい」と思えた
- 自分の音がまわりの音に比べて「暗い」と思えた
管理人は、このどちらかのパターンを耳で察知した場合、無意識に吹き方を調整してしまいます。
- 「自分の音が明るい」と思えたら、音を暗めにするか、音量を抑えるか
- 「自分の音が暗い」と感じたら、気持ち音量を上げるか
それで、吹き方で調整できる限界を越えてしまうと、特に高音は外しがちになります。
もしもあなたが、「あれぇ…なんで外すんだろう?」と思えたら、この辺も疑ってみる価値はあります。
対処法は、積極的におススメできるものではないのですが、
- 音色を明るくしたければ、浅いマウスピースを使う
- 音色を暗くしたければ、深めのマウスピースを使う
と言う方法があるにはあります。ただし、試す時には慎重に行ってください。
最後に
いかがでしたでしょうか。
「トランペットで音(高音)を外す時に、ありがちなパターン」
をテーマに、
- 音を外すときにありがちな事とは
- 外す音のレギュラーメンバー一覧
- 耳の良い人が陥りがちな「高音を外す」罠
の3つの項目に分けて書いてきました。
トランペットのような、金管楽器の音の出し方は、ダーツや弓道、アーチェリーのような、「的あて」に通じる部分があります。
「的(出すべき音)をきちんと狙い、いかに中心(各音の一番音が響くポイント)に当てるか?」なわけですね。
そして、そのためには、
- 正確に的を当てるために必要な筋肉を鍛え
- 正確に的を当てるために必要な感覚を鍛え
もちろん、最初から百発百中と行くわけはなく、何度も練習して「当てる精度を上げていく」しかないわけです。
そして、例によってなのですが、既にそのノウハウを持っている「プロの先生に教わる」のが、一番の近道なのです。