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「トランペットの値段の高いものと、安いものって、どの辺がちがうの?」
トランペットに限らず、楽器をやっていると、(楽器をやっていない人から)よく聞かれるのが、
「そのトランペット、いくらするんですか?」
なんです。で、トランペットやっている管理人ですら、他のトランペット奏者を見かけると、
「どこのメーカーのなんてモデルですか~?」
「このトランペット、いくらしました?」
は、当たり前のように聞きます。我ながらゲスいなとは思うんですが、やっぱり興味があるので。
と言うことで、この記事をご覧になっているあなたなら、なおさらそうだろうと、
「トランペットの値段を決める要素」を3つの項目に分けて書きました。
どうぞご覧ください。
トランペットの値段が高い理由を”車”を例に説明します
別に、車じゃなくてもいいんですが、管理人は車が好きなので、車で例えます。
ブランド
今や”日産GTR”や”ホンダNSX”など日本にもすごいスポーツカーがありますが、
“フェラーリ”や”ランボルギーニ”という「ブランド名」にはどうしても勝てないわけです。
少なくとも日本国内では。
関税
「なんでこんな小さい外車が、こんな値段するの?」と思う方は少なくないでしょう。
日本に輸入された段階で「関税」が、本体の価格に上乗せされていますよね。
作るのにかかる手間
日産GTRやフェラーリ、ランボルギーニのような車は、
工場や工房でも”トップクラスのウデの職人”が、”手作りで作っている部分が多い”です。
また、機械で作るのと違って、「そんなに台数は作れ」ません。
職人の人件費
工場や工房で”トップクラスのウデの職人”なら、当然高給取りです。そうそう代わりの職人はいませんから。人件費は当然、「本体の値段に反映」します。
材料費・部品代
特に日産GTRやフェラーリの上級モデル、ランボルギーニなどは、
「材料はもちろん、部品1個1個の値段もバカ高い」
です。
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まとめましょう。
- ブランド名
- 関税
- 作るのにかかる手間
- 職人の人件費
- 材料費・部品代
と、なるわけですね。
それで、この例えがトランペットにも”そのまま”当てはまるわけです。
次の章で、「トランペットの値段がなぜ高いのか」を説明していきます。
トランペットの値段を決める要素は何?
と言うことで、トランペットの値段を決める要素は、主に下に書いた5つになります。
- ブランド名
- 関税
- 作るのにかかる手間
- 職人の人件費
- 材料費・部品代
1つずつ説明すしましょう。
ブランド名
まず、先に言いますと、トランペットで有名ブランドと言うのは、主に「アメリカ」のものになります。
それで、実際に吹いて、そのトランペットの”素性”が分かるほどの人なら、ブランドなんかに惑わされず、自分に合ったトランペットを見つけられますが、
管理人を含め、そこまでの「目利き力がない」場合は、やはり”ブランド名”にお金を出しちゃうんですよね。
管理人だって、実はアジア圏あたりで作られたトランペットに「アメリカや欧州の有名ブランド」名がついているトランペットを渡されたら、
「やっぱりいいよね~。このブランドのトランペットの音は~♪」
とか、たぶん言います。
関税
関税とは「各国が定めた、輸入品にかける税金」の事ですね。
これを2番目に出したのは、結構バカにならない要素だからなんです。
- 「日本で外国メーカーのトランペットを買う」と、ほとんどは生産メーカーのある国より高い値段がつきます。
- 逆に「外国で日本メーカーのトランペットを買う」と、日本国内よりもはるかに高い値段がつく場合も多いです。
なので「高いトランペット=良いトランペット」と、単純には言えない部分もあります。
作るのにかかる手間
これは大きく分けて2つの要素があります。
- 「機械で作れる部分」と「職人の手作業に頼らなくてはならない部分」の比率
- 「職人そのものの”熟練度”に、どのくらい頼らなくてはならないか」の比率
当然、「”熟練”の職人の”手作業”に、多くを頼らなくては作れないトランペット」ほど、値段は高くなります。
また、そういうトランペットは、大量に作れるものでもないので、流通量が少なく、
欲しがっている人>流通量
の関係で、値段をさらに高くしている原因にもなっています。
職人の人件費
トランペットと言うのは、機械化がだいぶ進んできたとはいえ、いまだに「職人の手作業に頼って作られている部分が多い」楽器です。
日本のお家芸で、トヨタ自動車が得意としている「カイゼン」
(=改善。いかに職人個人の”スキル”に寄りかからずに、工場内の環境を整え、品質の高いものを効率よく製造するか)
↑すみません…。これ以上簡単な言い方を思いつかないんですorz
を極めたヤマハの製品でさえ、かなりの熟練度が求められるんですね。だって、髪の毛1本分すらの”ずれ”も許されない「精密なもの」なんですから。
そこまで「カイゼン」が進んでいない外国メーカーなら、より職人のスキルが頼りになるわけです。
動画サイトでも「トランペットを工場で作っている風景」がアップされています。
ヤマハと、アメリカや欧州の有名ブランドの風景を見比べてみて下さい。外国メーカーの工場は、本当に手作業での工程が多いです。
ヤマハは、やはり、
- 機械化が進んでるな~とか
- 治具(組み立てを正確かつスムーズに行うための専用工具)がたくさん入っているな~とか
言うのが分かります。管理人は工場に勤めていた時、改善業務に関わったことがありますので、余計に分かります。
材料費・部品代
トランペットの主な材料は真鍮(=ブラス。銅と亜鉛の合金)で作られているわけですが、「ブラスそのものの質の高さ」はもちろん、
- ピストン
- バネ
- ねじ
- ゴム
- フェルト
などに「高い材料(=良い材料ではないかも…)」を使えば、当然値段は高くなります。
他にも、「色々な作り方、加工方法」があり、そこでも値段は変わってくるのですが、書くときりがないのと、管理人はそこまで詳しくないので、割愛します。
安いトランペットとはどんなもの?
では、安いトランペットはそういうトランペットになるか?というと、簡単ですね。高いトランペット逆の事、
- 無名ブランドのもの
- 作るのにかかる手間が少ない(機械で作れる部分が多い)
- 職人の人件費が安い
- 材料を安く調達している
(関税は抜きました。安いトランペットと言うと、アジア圏のものなので関税は安いと思うんですが、断言はできないので。)
から安いのです。品質も、昔は本当に「安かろう悪かろう」でした。
ただ、今は「安いトランペット=品質の低いトランペット」とも、言えなくなってきてるんですよね。
かなり以前から出回っていた台湾製のものは、あなどれない製品がだいぶ出てきていますし、
ヤマハは、”スタンダードモデル(安いモデル)”を「中国の自社工場」で作るようになりましたしね。
ただ、「人件費が安い国=熟練の職人が育ちにくい国」でもあるため、品質管理の最終チェックは日本人が行っているみたいですね。
(とはいっても、1~3万円台の格安トランペットは、いまだに「どうなんだろうなぁ…。この出来…」と思わせるものは少なくないです)
最後に
いかがでしたでしょうか。「トランペットの値段の高い、安いを決める要素は何か?」をテーマに、
- トランペットの値段が高い理由を”車”を例に説明します
- トランペットの値段を決める要素は何?
- 安いトランペットとはどんなもの?
の3つの項目に分けて書いてきました。
ちょっと難しい言い方が多くなってしまいましたが、分かっていただけたでしょうか。
「高いものには高いなりの、安いものには安いなりの理由がある」と言うことです。
もし、あなたがトランペットを買う事を考えているのでしたら参考にしてください。
最後に一言、
「ブランド名に惑わされないでくださいね。」と言わせてください。
ブランド名だけでトランペット選ぶと、最悪
- 偽物や
- B級品(あらゆるお店で「売り物にならない」とはねられた商品)
をつかまされる可能性もありますから。特に外国メーカーは要注意です。