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「トランペットのきれいな音の出し方」
トランペットの高音の出し方と並んで、悩んでいる方が多いテーマじゃないでしょうか。
あなたもそうですか? 管理人もいまだに悩んでいますね。
プロのトランペット奏者にレッスンを受けて「だいぶ改善したかな…」とは思えるんですが。
そうそう。プロのレッスンを受けて、中高吹奏楽部時代に「やっちゃダメ!」と言われたことを、
だいぶ練習させられました。その辺のことも含めて5つの項目に分けて書いています。
どうぞご覧ください。
きれいな音を目指す限り きれいな音は出せるようになりません
この章のタイトルですが、
「意味が分からない…何言ってるの?」
と思いましたか。
これ、何を言いたいのかと言うと、
- ホール位の広さで、きちんと「きれいな音を出せているプロ奏者」に
- 楽屋に戻ってきてもらって「ホールで鳴らしていた感覚のままで吹いてもらう」と
聞く人によっては「これが本当にプロの音?!」と疑いたくなるような、耳障りな音に感じるからなんです。
ホールできちんと鳴る”きれいな音”を出せる奏者が楽屋で鳴らす音は、
- やや息が多め(人によっては「音になってない」と思う)
- 音圧がある(人によってはうるさく不快に感じる)
- 音が走っている(人によってはおどろく)
ような感じです。
ただし、こういう体験をできる機会って少ないと思います。プロはどこでもきれいな音を出しますから。管理人もかなり貴重な体験をさせて頂きました。
では、なぜプロがいつでもきれいな音を出せるかと言うと、
「その吹いている空間で”一番きれいに鳴らせる吹き方”に一瞬で切り替えている」
からなんですね。
もし可能ならば、あなた自身が、
- ホールで思いっきり吹いてみて、なるべく時間を空けずに
- その感覚のまま、楽屋や狭い練習場で吹いてみる
これを試してみて下さい。楽屋や練習場での音がとてもうるさく感じるはずです。
“音を割る”ことを怖がらないようにしましょう
吹奏楽の現場でよく言われる、
「音を割っていはいけません!」
と言う、”強烈な縛り”の言葉。
これも実は、”きれいな音を出すための障害”になっているんです。
「音を割ってはいけない」と言う事を意識するあまり、
- 大きな音を出す練習を怖がる
- 結果、あなたの持っている”トランペットの鳴りの限界”を知ることができず
- どう鳴らせばあなたのトランペットをきちんと鳴らせるか。を、あなた自身が知ることができない
トランペットの鳴らし方を知らなければ、きれいな音なんて出しようがないんですね。
なので、
- 練習をした日に必ず1回はやる
- 音の出だしはタンギングをしないで「Foo-」で出す(アンブシュアを壊さないため)
この譜面を(指揮者がいない時のフェルマータは、2倍の長さで吹くのが目安です)
音を割るぐらいまで、めいっぱい爆音を出した方がいいです。
pppからfffまでをまんべんなく練習しましょう
これは、管理人が専門学校で、プロの先生に教わった練習で、今でも実践している練習です。
それは、
- ppp(ピアニッシシモ)からfff(フォルテッシシモ)までのクレッシェンド
- fff(フォルテッシシモ)からppp(ピアニッシシモ)までのデクレッシェンド
です。やり方は、
- 拍数は8拍
- 音の出だしはタンギングをしないで「Foo-」で出す(アンブシュアを壊さないため)
- テンポはあなたの息が持つ限界まで遅く(72~76位がやりやすいでしょう)
- クレッシェンド、デクレッシェンド、どちらもスムーズに
ですね。
クレッシェンド
デクレッシェンド
- pppはあなたの音の出せる限界まで小さい音で
- fffは音が割れるのを恐れずにやってください
これをやらないと、トランペットが鳴るようにならないんです。
吹奏楽で一番使う、p(ピアノ)からf(フォルテ)までのダイナミクスを、きれいな音で表現できないんですね。
この練習をすることで、指揮者からの
- もっとフォルテで!
- もっとピアノで!
- 音色気を付けて!
と言う、「多少ムチャ振りな」指示にも答えることができるようになります。
トランペット本体とマウスピースの点検は必須です!
きれいな音を出すために一番大事なことなのですが、一番おろそかにされている事。
それが、トランペットとマウスピースの点検とメンテナンスです。
- トランペット本体の管内洗浄は必須
- トランペットの管の5㎜以上のへこみ、ベルのゆがみなどは修正が必要
- マウスピースのシャンクのゆがみ、リムの大きな傷なども修正が必要
です。
あなた自身ができる範囲はあなたがやり(管内洗浄くらいはやれるようになりましょう)。
無理そうなものは、楽器店に点検や修理依頼を出しましょう。
トランペットやマウスピースのコンディションが良くなければ、あなたがどんなに練習を頑張ろうが、きれいな音は絶対に出ません。
トランペットのきれいな音を聞きまくりましょう
ここはセオリー通りで書きますが、やっぱり「きれいな音のイメージ」があなたの中にないと、きれいな音を出せるようにはなりません。
と言う事で、
- 音源(CDやダウンロード音源など)
- コンサートやライブ(できるだけマイクを通していないもの)
- 動画サイト
などから、音を聞きまくりましょう。ここで、イメージづくりができます。
最後に
いかがでしたでしょうか。トランペットのきれいな音の出し方をテーマに、
- きれいな音を目指す限り きれいな音は出せるようになりません
- “音を割る”ことを怖がらないようにしましょう
- pppからfffまでをまんべんなく練習しましょう
- トランペット本体とマウスピースの点検は必須です!
- トランペットのきれいな音を聞きまくりましょう
の5つの項目に分けて書いてきました。
かんたんに言ってしまうと、きれいな音と言うのは、
- ホール規模の大きさでも十分響きわたる音であり
- ダイナミクスや音域で”余裕をもって出せる音”
なんですね。なので、あなた自身が、
「あなた自身のトランペットの限界を知る」ことが、きれいな音を出すための第一歩
なのです。
ですので、今まで「あなた自身が決めていた限界」を、やぶることが大事だったりします。
ものはためし、やってみて下さい。
それから、体の使い方や、口の使い方も習いましたが、これは活字で伝えるのは危険ですので、書いていません。
もし、そこまでやってみたいのなら「プロのレッスンを受けて」ください。