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トランペットのことをよく知らない人が、トランペットを吹いている人に”必ず質問する事の1つ”と言えば、
「ね~ね~。トランペットって押すところ3つしかないのに、どうやってドレミファソラシドやるの?」
ですよね。
で、あなたや管理人のように、”2オクターブの音階をとりあえず出せる”人間からすると、
- 指はきちんと押しているのに、狙った音に当たらない(泣)
- また大事なところで音を外した~(号泣)
と、いうのが”あるある”だったりします。
おなじ指使いで出せる音が、いくつもありますもんね。
ということで、この記事ではトランペットの指番号応用編として、
いっそのこと、「どのピストンを押せば、どれだけの音が出せるか?という事を覚えてしまいましょう。」
という事をテーマに3つの項目に分けて書いています。
どうぞご覧ください。
指番号別”こんな音が鳴ります”を紹介します
それではさっそく、指番号を書きながら”どの音が出るか?”を書いていきます。
積極的にこれらの音を出すようにすると、不思議なことにどんどん音を外しにくくなります。お試しください。
(機種や個体によっては出しにくい音もあります。無理に出さずにとばして下さい)
1.2.3番
1.3番
2.3番
1.2番(3番も同じ)
1番
2番
0番(どの指も押さない)
です。
特に高い音に行くほど、出せる音は多くなります。
さて、この指使いの知識、きちんと呼び名があります。
そのことについて次の章で書きます。
替え指の基本の”キ”
前の章であげた”各指使いで出せる音”は、別名「替え指」と、呼ばれるものです。
あなたがトランペットを、ある程度吹いてきたなら、この楽譜のように、同じ指使いで出せる音が、いくつか”ピンとくる”のではないでしょうか。
代表的なものとしては、
この音とか(チューニングの音のすぐ上の”レ”)、
この音とか(チューニングの音のすぐ上の”ミ”)、
そうなんです。ふだんはこの指使いだけを覚えていれば、全然不自由なく吹けますよね。
ですが、たまにこんなことがありませんか?
・リップスラーがこの指使いで当たらない
・高音が当たらない。ありがちなのが、以下の2つ。
この音とか、
この音とか。
こんな時に、替え指を覚えていると役に立ちます。
・リップスラーが当たらない
(正確にはリップスラーではなくなりますが、「どうしても…」と、いう場合の指使いです)
・高音が当たらない
“ラ”の音を3番で出すことで、ピッチがよくなる場合も多いです(12番だと高めになりがち)
こちらは両方とも0番(どの指も押さない)にはなりますが、この練習が有効です。
どうでしょうか? もし、時間がとれるようでしたら、いろいろ試してみてください。
替え指の練習で得られるスキルとは?
替え指の練習で得られるスキルは、大きくあげて2つあります。
- 音程(ピッチ)の感覚が磨かれる
- トランペットの鳴りがよくなる
1つずつ説明しましょう。
音程(ピッチ)の感覚が磨かれる
本来の指使いと、替え指の指使いで同じ音を出してみて、「ん?!なんか音の高さが違う」と思えることは多いでしょう。
いつも使う指使いと、替え指の指使いを吹き比べてみて、音程を修正できるようになるとベターです。
トランペットの鳴りがよくなる
たとえば下の楽譜を、「1.2.3番を全部押さえた状態で吹いてもらう」と、
慣れないうちは、ビックリするくらい鳴りません。
こういうのを丁寧に鳴らしていくと、どんどんトランペットが鳴るようになっていきますし、一番鳴るポイントを探す習慣も付くようになります。
(ピストン部分が鳴るように思える部分が半分、替え指にあなたがなじんでくる部分が半分。と、いうところでしょうか)
ただし、替え指の練習も、やりすぎると悪いクセがつく可能性がありますので、ほどほどにしましょう。
「どのような悪いクセがつくのか?」を、次の章で紹介します。
やりすぎ厳禁!替え指練習のデメリットとは?
ただし、替え指の練習は、一歩間違えると
「無理やり口で音程を修正しながら吹くクセがつく」
場合もあります。
特に耳のいい人にありがちなんですが、
- 替え指で出した音の”ピッチがずれている”事に気づく
- 無意識に唇や体を使ってピッチを修正する
- そのために、いくつかの音が、つまったりする等の変な音色になる
- 変な音色を修正するために、無意識に唇や体を使う
- 最悪の場合、「音を外すこと」が多くなる
なので、練習するなら
- 長くても20分までにしておく
- 必要なフレーズがあるなら、”そのフレーズを自信をもってやれるようになった時点”で、やめる
そして、どうしても替え指の練習をやりこみたいなら、
「1番、3番トリガーを使って音程を微調整する練習」
も、必ず一緒にするようにしてください。
最後に
いかがでしたでしょうか。
「トランペットの指番号紹介」の応用編ということで、
- 指番号別”こんな音が鳴ります”を紹介します
- 替え指の基本の”キ”
- 替え指の練習で得られるスキルとは?
の3つの項目に分けて書いてきました。
基本の指番号は、別記事で書きます。そちらを参照してください。
この記事で紹介したトランペットの指番号は、”必ずマスターしなければいけない”と、いうものではありません。
ですが、覚えておくと何かと便利なことは確かです。
「当てにくい音を当てるため」の他にも、”和音を合わせる”という場合にも効果があります。
参考までに、和音楽器の代表であるホルン奏者は、より美しい和音を作るために、替え指を使いまくっているというのは有名な話ですね。
(管の長さが長く、ピッチコントロールが難しいので、替え指を使うという部分もあります)
「必要になったら、この記事を開いてみる」くらいの感覚で、気楽に取り組んでみてください。