合奏をする以上、「バンド全体のサウンドをまとめたい」と、思うのは、
・奏者
・指揮者
・コンサートマスター
・バンドマスター(=雑用係の場合もあるので微妙…。)
の切なる願いでもあります。
とは言え、サウンドのまとめ方を分からずに、途方に暮れているバンドも多いのは事実で、
アドバイスを求めて、もらった時に1番困る答えが「音楽をやりましょう」と言うもの。
…、
「いや…、どう音楽をやれっちゅうねん…」っていうのが、管理人を含め、多くのアマチュア奏者がツッコミを入れたくなるところであります。
「そんなあいまいな言い方じゃ、わからないんですよ」と言う話ですね。
本当にわずか数回合わせただけで、ある程度「まとまりのあるサウンドにできるバンド」はどんな練習をしているのか?
メンバー全員、初見のスキルを持っているのに、合奏になると「サウンドにまとまりがない」のはなぜか?
レコーディングに参加するようなプロミュージシャンが、初見でさらに1発目から、かなりまとまりのあるサウンドを作れるのはなぜか?
その答えは、管理人、専門学校で教わりました。どのようなものかと言うと、「ものさしを覚えろ」と言うもの。
特にポピュラー系の音楽をやる時に、はっきり出るものなのですが、
・4分音符、8分音符、16分音符などの長さ
・スタッカート、レガート、記号がない時の音符の長さ
・pp p mp mf f ffなどの強さ
など、「この音符が出たら、この強弱記号が出たら、こう演奏すれば良い」という”ものさし”が存在するんですね。、
はじめは、そのものさしに沿って吹いてしまい、ある程度形にしてから、「音楽的な修正」と言うのをしていけば良いんです。
この「ものさし」と言うのは、
1.音楽理論を学ぶことで手に入れられるもの
2.実際の合奏(セッション)で、徐々に手に入れていくもの
大きく2つがあります。どちらかひとつを実践するというよりは、1.2.の順番に実践されている方が多いようです。
「1.音楽理論を学ぶことで手に入れられるもの」を学習して、合奏に参加
「2.実際の合奏に参加」して、先輩メンバーたちのものさしを勉強する
そうすると、
「あ、このバンドは、こんな感じで吹くと合わせられるかな。」
と、なんとなく分かるようになってきて、いわゆる「トラ」なんて仕事も、そんなに苦も無くこなせるようになります。
※トラ
正式名称はエキストラ。バンドの正式なメンバーではなく、コンサートやイベントなど「1回きりの出演」をする、助っ人の事。
1回から、多くて3回くらいのリハーサルで本番という事が多く、バンドのカラーに素早く染まる対応力が必要。
ただし、もうお分かりのように、この”ものさし”、きちんと「音楽の専門知識の持った人間」でないと教えられません。
なので、たった1人でいいので、「音楽理論をきちんと学んできた人」
・プロであったり
・音大生
・音楽専門学校生
のアドバイザーを置くのがおススメです。
さて、ここまでは「理論」と「理想」を並べてきました。とはいえ、現実はそんなに甘くありません。特にアマチュアの世界では。
実際にアマチュア楽団を見ていくと、「音楽的に~」と言うのはもちろん
・共通の”ものさし”を持とうとか
・プロや音大生のアドバイスを受けましょうとか
とかいうはるか以前の、”本当に基本的な部分”で問題を抱えているところが少なくありません。
「和音やユニゾンをそろえたい」と悩んでいる人の楽団の、実際の音を聞いて見ると、そもそもメンバーひとりひとりの音が全然出ていないとか、
ネットや、理論書などで、知識を手に入れたはいいが、その知識を、アドバイスする人間が「自分の中に落とし込めていない」ため、いくら実践しても成果が出ないとか、
なので、現実問題として、「そういう基礎の基礎の基礎」的なものの紹介の方が必要だな。と判断し、「音をのびのび出しましょう」と、結論を出している記事も少なくはないです。
そして、1番分かりやすく言うと、「合奏とは楽器を使った会話」なんですね。
会話をするためには、
・きちんと声を出す(楽器でのびのびと音を出す→じゃないと他の人に声が聞こえない)
・他の人の話を聞く(他の人の音を聞く)
・返事をする(「あなたの音を聞いていますよ」と知らせる)
事が重要で、これができなければ、
お互いが好き勝手に言葉を言っている状態=お互いが好き勝手に楽器を鳴らしている状態
なので、当然会話はなり立ちません。
くり返し言いますと、合奏とは、「楽器を使った会話」なので、会話ができていないという事は、サウンドにまとまりがないのは当然なんです。
・ユニゾンが合わない。どうしよう…。
・和音が合わない。どうしよう…。
・アクセント。アーティキュレーションが合わない。どうしよう…。
・音の強さ、ボリュームが合わない。どうしよう…。
はっきりいって、答えはひとつです。
「お互いに、楽器できちんと”会話”をしよう」
ですね。
不思議なもので、「きちんと会話をしている」バンドや楽団と言うのは、実際には、ユニゾンや和音、アーティキュレーションが少しくらいずれていても、
「あ~、なんかそろってるな~。キチンと合奏しているな~。」
と聞こえてくるものなのです。
これができた上で、「もうちょっと技術的なやり方はないのか?」と、思えたならば、このカテゴリの記事を読んでみてください。
それでは、どうぞ。