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「トランペットのベル!下がってるよ!」
管理人もトランペットを始めた中学1年の頃、よく言われました。
吹いている途中で「グイッ」っとベルを上げられた時もあり、正直、嫌でしたね。
専門学校に行って、プロの奏者に触れる機会も増えて、
「ベルを上げる事は、サウンド作りや見た目で『自分自身』が必要と感じた時にやれば良いんだな。」
と確信できたのは大きな収穫でした。
ポピュラーの時は、マイクで音を拾ってもらえますので尚更そう感じましたし。
とは言え、「トランペットのベルが下がる」問題、まだ悩んでいる方も多いようですね。
この記事では、トランペットのベルが下がって困る問題についての考え方を3つの項目に分けて書いています。
どうぞご覧ください。
トランペットのベルを上げる必要は「本当に」ありますか?
まず、かなり乱暴な話にはなるのですが、
- 吹奏楽のような”クラシック系の音楽”を吹いていて
- あなたが日本人である(日本人の頭蓋骨の骨格を持っている)
場合、顔の角度に対して、構えているトランペットの角度が
「直角(90°)より上にあがる事は、ほぼありえない。」
と思ってください。ほぼ100%ベルは下がり気味になります。
- 日本人の頭蓋骨の形は基本的に出っ歯であり
- 欧米人に比べて、下あごを前に出す吹き方をしにくく
しにくい傾向があるからです。下あごを引っ込め気味で吹いた方が吹きやすいんですね。
そして吹奏楽の世界では、マーチングでもやっていない限り、直角になるほどのベルアップは必要ありません。
その一番の理由は、そもそも吹奏楽が、
音色を最優先する「クラシックを土台としている音楽」だから
です(少なくとも日本では)。
ベルを上げ過ぎると、この肝心の「音色」が犠牲になりやすいのです。
(「ベルを無理に上げると変な音になる」方も多いんじゃないかと思います)
日本人でも、ジャズやポピュラー系のトランペット奏者には、顔に対して直角に構える方がいますが、
- 高音をたくさん使うため
- カップが小さく浅いマウスピースで演奏しやすいようにするため
- いわゆるポピュラー向けの「エッジのきいた音」を出すため
などの必要にせまられて”あの構え”をしています。
- クラシックとでは必要とされる音色が違う
- ポピュラー系では高音を多用する為、特にライブの時は「耐久力優先」の場合が多い
と言う”現実的な事情”は知っておいた方が良いです。
吹奏楽のような「クラシックを土台としている音楽」の場合は、
- 何よりも音色が最優先、ベルの角度は二の次で良い
- ベルを上げたために、音色が犠牲になるのでは「本末転倒」
なんです。
とはいえ、このブログを含め、ネットで情報を探しているからには、
「いや、その”テ”の音色優先的なアドバイスは聞き飽きているんだよね~」
「だからぁ~、私が知りたいのは『ベルを上げろって言われなくなる方法』なんですよ~」
と思っていますよね(たぶん)。
さて、ここで、ちょっと見方を変えてみましょう、あなたが「ベルが下がってる」と言われる原因について。
次の章で書きます。
ベルが下がっていると不都合なのは「見た目」か「サウンド」か?
あなたが「ベルが下がってる」って思った時、あなた自身で気がつきましたか?
多くの場合、
- 指揮者
- 指導者(顧問の先生など)
- まわりのトランペットの人など
に指摘されて”初めて意識して悩む”というパターンじゃないでしょうか。
なので、「ベルが下がってる。」と言われた時、勇気を出して聞いてみてはいかがでしょうか?
このように(以下例文)、
「○○さん(先生)がベルが下がってると思ったのは、『見た目が問題』だと思ったからですか?、それとも『サウンドに問題がある』と思ったからですか?」
(どうしても「ベルが下がってる」と言ってきた本人に聞きにくければ、聞きやすい人を探すのも良いでしょう)
よほど性格の悪い人か「なぜベルを上げなくちゃならないか」の理由を分かっていない人でない限り、
- 「見た目」に問題あり(まわりと比べて下がり方が目立つ)
- 「サウンド」に問題あり(まわりと比べて、完全に”こもって聞こえる”とか)
- 「両方とも」問題あり(見た目かサウンド、どちらかを直せば解決するかも)
と、1~3のどれかを答えてくれるでしょう。
あなたが聞くことで、相手も「何が問題なのかを再確認し」一緒に考えてくれるかもしれません。
そうなれば最高なんですが。
万が一ですが、
- 「答えてくれない」とか
- 「わからない」とか
- 「昔からやっているから、伝統だから」とか
- (最悪)「あんた、生意気!」とか
言ってきた場合は、もう、
「ハイ!」
と元気よく返事だけしておいて、
「一生懸命直そうとしているんですけど、上手くいかないんです~。」
アピールをしつつ、スルーするのもアリかと思います。
それから、
「高音になると下がり方がひどくなる、直そうとすると高音を外す」
という事も多いでしょう。その時の考え方を次の章で書きます。
高音になるとベルが下がってくるのは「日本人なら当たり前」
日本人の場合、よほど特殊な吹き方をしている場合以外
- 高音にいくほどベルは下がり
- 低音にいくほどベルは上がる
傾向にあります。ピボット奏法など、難しい言い方はいくらでもできるのですが、
ピボット奏法に関して知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
トランペットのピボット奏法どうやる?管理人の変化を解説!
ざっくり言えば、
「高音を出す時に、体や唇の負担を減らすために、体が自動的に動いている」
ので、逆らわずにベルを下げましょう。
(これはプロ公認のアドバイスです)
最後に
いかがでしたでしょうか。
「トランペットのベルが下がる悩み」をテーマに、
- トランペットのベルを上げる必要は「本当に」ありますか?
- ベルが下がっていると不都合なのは「見た目」か「サウンド」か?
- 高音になるとベルが下がってくるのは「日本人なら当たり前」
の3つの項目に分けて書いてきました。
管理人も、中高吹奏楽時代は、
- ベルが下がり気味
- ベルアップは顎ごと上げていた
吹き方をしていました。
ベルを上げるフォームへの変更は、自分で必要だからと思ってしたんですが、
(ポピュラー系を吹くには「バテやすくて」つらかったので)
「きちんとした理論を持った」プロの先生のアドバイスを受けたから、初めて成功したものだと今でも思います。
なので、根拠や必要と感じない「ベルアップ」なら、やらない方が良いと思います。
やるのなら「プロの方の指導を受けて」やる事をおススメします。