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「トランペットは、リラックスして吹きましょう!」
「高音が出ないのは、リラックスしてないからだね!」
「音が固いよ~!リラックスしよう~!」
こういう言葉を聞くたびに、管理人は、
「へぇ…。 じゃ、具体的にどうリラックスすればいいのか、説明してもらおうか。」
と、思います。
管理人は、幸いなことに「音楽界の第一線で活躍していたプロ」の指導を受け、いわゆる”リラックスした吹き方”をマスターできました。
ですが、その時に、
- 吹き方
- 体の使い方
- 力を入れるポイント、抜くポイント
- 音を響かせるときのイメージの作り方
の説明を、”かなり細かく”受けています。
なので、この記事では、「リラックスして吹く事の難しさ」について、4つの項目に分けて書いています。
どうぞご覧ください。
リラックスした吹き方に修正するための方法とは?
これは言い切ってしまいますが、一度ついてしまった「体を力が入ってしまう吹き方」を直そうと思ったら、
- 体のしくみや筋肉の使い方を、医師などの専門家からきちんと学んで
- それを分かりやすい言葉で説明することができて
- 短期間で解決できないことを、きちんと説明できる
トランペットの「プロ奏者」や「プロ講師」の力を借りなければ、まず不可能だと思ってください。
(どちらかというと、クラシック系より、ジャズ・ポップス系のプロの方が、詳しい傾向にあります)
中途半端な知識でやると、よけいに吹けなくなるだけです。
あなたが本気で
- 今の吹き方ではダメだと感じていて
- 今の吹き方を直して、もっとうまく吹けるようになりたい
と思っているのなら、迷わずプロに教えてもらいましょう。
「リラックスしましょう!」と言うアドバイスの無責任さ
「リラックスしましょう!」
って、言うだけなら誰でもできるんです。それで、
「じゃあ、具体的にどうリラックスすればいいんですか?」
と、聞いて答えられる人がどれくらいいるか?っていう話ですよね。
少なくとも、”リラックスした吹き方”を、きちんとアドバイスするには、
- トランペットを効率よく吹くために、どんな筋肉が使われているか?
- どこの筋肉を程よくゆるめて、どこの筋肉がふんばる必要があるか?
- 重心をどこに置くようイメージするか
- 音を飛ばすイメージをどう決めるか
- 「あなたに合っている呼吸のしかた」を見分ける力
- 吹いている時の心理的なこと
- トランペットやマウスピースの知識(合っていないから、余分な力が入っている可能性も考えられます)
を、最低限知っている必要があります(必要な知識は、もっとあります)。
さらに、人によって微妙に体のつくりは違うので、それを見分ける目も必要なわけで。
それができた上で、「リラックスしたい」と思っている人が実践しやすいように、できるだけわかりやすく具体的に、
「こんな感じの体の使い方で、吹いてみましょうか。」
と、アドバイスできるならともかく、ただ「リラックスしましょう!」じゃ、アドバイスとしては、無責任以外の何者でもないんですね。
とはいえ、
「だって、プロなんか近くにいないし、頼むお金も時間もないし…」
という場合もあるでしょう。
そういう場合にできる、ただ一つの方法を次の章で書きます。
ただし、あくまで応急処置であり、根本的な解決法ではないことは覚えておいてください。
「疲れたら休む」のセオリーをあえて無視する
トランペットは、体を壊さないために”疲れたら休む”と言うのが、今の当たり前になっています。
でも、自己流で身につけたフォームに問題があるので何とかしたいが、それを「誰にも教わらず自己流で解決」したい。
と言うのなら、言葉だけの「リラックス」ではなく、体が本当に「リラックス」を求めるまで、練習をやりこむしかありません。
「うわ~、疲れたぁっ!休憩しよう!」で休まずに、さらに練習を続けるわけです。
人間の体と言うのはうまくできていて、疲れがピークに近づけば近づくほど、「ムダな力を抜くよう」に動くんですね。
それを徐々に体に覚えこませるのが、一番現実的な方法です。
リラックスなんてものは、頭で考えてやれるものではありません。
また、「リラックスしよう!」と言われれば言われるほど、余計に体が固まってしまうというのは、よくあることです。
この方法、解決法でもなんでもありませんし、応急処置法と言うか、「その場しのぎの方法」です。正直言って。
ですが、プロの指導を受けないのであれば、この方法しかありません。
次の章では「なぜ、この方法しかないのか?」について書きます。
今の吹き方は「あなたの体が求めた結果」です
そもそも、なぜあなたは「今の吹き方」になってしまったのでしょう?
たぶん、具体的な吹き方とか、フォームとかの指導は受けられなかったのに、
- 〇日後には、音出せるようにしておいて
- 〇日後には、チューニングの音位、出せるようにしようか
- 〇日後には、この曲合わせるから、できるようにしておいて
と、ノルマだけがのしかかり、「それに必死でついていこうとした結果」なんじゃないでしょうか?
ロクに吹き方の指導もされない中で、
- 「あ、こう吹いたら音が出た!」
- 「あ、こう吹いたらチューニングの音が出た!」
- 「はぁ~、こう吹いたらなんとか曲ができたぁ~!」
と、あなたが一生懸命考え、あなたの体が一生懸命ついていこうとした結果が、「今の吹き方」なわけです。
そして、「自分自身で考えて、身につけたもの」を、「自分自身で変える」と言うのは、なかなかできるもんじゃないんです。
なので、フォームを変えるなら「プロに指導してもらう」のが一番なんですが、それが無理なら「今のあなたの吹き方をつきつめていく」しか、ないんです。
たとえリラックスできなくて、力が入っていても、その吹き方が「あなたの体が求めた吹き方」なのですから。
最後に
いかがでしたでしょうか。
トランペットを吹く時に「リラックスしろ!とか、かんたんに言うな」的なテーマで、
- リラックスした吹き方に修正するための方法とは?
- 「リラックスしましょう!」と言うアドバイスの無責任さ
- 「疲れたら休む」のセオリーをあえて無視する
- 今の吹き方はあなたの体が求めた結果だからです
の4つの項目に分けて書いてきました。
ざっくりまとめますと、
- リラックスして吹けるようなフォーム変更は、プロの手を借りないと無理
- そもそも、短時間で結果を出させようとするから、無理なフォームで吹く人が増える
と言うところですね。
(チューニングの音を、四分音符=76で、8拍伸ばせるまでに半年、かんたんな曲を、1年で1曲仕上げられれば上出来です)
特に「アドバイスをする側」になった時は、この記事に書いていることを、肝に命じていただきたいです。