この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。
トランペットを吹く時に限らず、の話ですが、「力まずにやれる」のは”理想”ではあります。
トランペットに限って言えば、力まない方が、
- バテにくいですし
- 音色も良くなる”かも”ですし
- 技術的にもやれる事は増えますし
となりやすいのも事実ですし。
ですが、「力まない方が良いのだから」と、まだ音を出す事さえも難しそうな初心者さんに向かって、
「力んでるね~。余分な力を抜いて吹きましょう~」
と言っても、音が出すのがやっとの初心者さんに、その言葉は響きません。
そのアドバイスでは漠然としすぎているんですね。
「力まないと音が出せないの。じゃあ、お手本見せてよ。」
と思わせるのがオチです。
この記事では、トランペットを吹いている時に力んでしまう問題についての対処法を4つの項目に分けて書いています。
どうぞご覧ください。
「力まずに吹きましょう」は呪いの言葉
まず結論を言ってしまうと、
トランペットを「最初から力まずに吹く」のなんて不可能なんですね。
- トランペットを吹くのに必要な筋肉もできていない
- 体をどう使えばより効率的に吹けるかもわからない
そんな状態なら、とりあえずどこかに力が入ろうと「音が鳴るまで吹いてみなきゃ」マスターできるはずもありませんので。
だいたい「トランペットを吹いている時に力んでしまいます…」と相談する方のパターンって、
- 「あなたに合った吹き方」を教われずに自己流で身につけた
- 上手く吹けない、すぐに疲れるなどの悩みが出てくる
ではないでしょうか。
それで、ここからざっくり、
- あなた自身が「力んでいるから上手く吹けないのかも…」と思っている
- 周りから「力んでいる」と言われたが、あなた自身は”ピン”と来ていない
の2通りに分かれていると思われます。
それで、なんですが、
2. 周りから「力んでいる」と言われたが、あなた自身は”ピン”と来ていない
の場合は、下手に今の吹き方を変えようとしないで、現状維持する事をおススメします。
なぜなら、あなた自身が”ピン”ときていない時点で、
- 今の吹き方に問題が”あるのか”や”ないのか”も分からない
- 「良く分からないけど~」と、しぶしぶ実践しても身につくはずがない
ので、結局「もとの吹き方に戻ってしまう」のが分かりきっているからです。
もし仮に、あなたが、
1. あなた自身が「力んでいるから上手く吹けないのかも…」と思っている
の場合は、色々と点検やトライをしてみる事が可能です。
- あなた自身が「吹き方に何かの問題点があるのかも…」と思っている
- そして、「改善できるなら…」と工夫をする意欲がある
ので。
次の章から、まずやってみた方が良い事を書いていきます。
楽器のコンディションをチェックしましょう
特に初心者さんやトランペット歴の浅い方にありがちなのが、
「力む吹き方になってしまったのは、自分自身に原因がある」
と考えてしまう事です。
そこで悩む前に「楽器のコンディションを疑って」みましょう。
ヤマハやバックのような有名メーカーの新品トランペットならともかく、
- 中古のトランペットや
- 激安トランペット(定価1万円台~5万円台)
は、トランペット本体に、何かしらの問題を抱えていることが少なくありません。
さらに、できればトランペットに詳しいショップに持ち込んで、
- 管内洗浄はされているか?
- ガタつき、経年劣化などの症状がないか?
- 消耗品(ウォーターキーコルクやピストンフェルト)
も見てもらうのをおススメします。
ショップに持ち込んだついでに、
「今使っているマウスピースがあなたに合っているのか?」
も相談できればさらに良いですね。
なぜ、吹いている本人よりも楽器のコンディションを疑うのが先なのか?
その理由を次の章で書きます。
「無意識に楽器に合わせて吹いている状態」の問題点
トランペット初心者さんが
「(プロや)詳しい人からのアドバイスを受けずに吹き始めた」
場合、無意識のうちに、「今のあなたのウデでやれる範囲」の、
- 安定した音が出る吹き方
- きれいな音が出せる吹き方
- 疲れにくい吹き方
をやりがちです。
それは、あなたがアドバイスを受けない状態にありながらも、自分自身で試行錯誤してたどりついた結果です。
たとえそれが、周りから見て「力んでいるように見える吹き方」でも、あなたにとっては
「今、一番吹きやすい吹き方」
なのではないでしょうか。
一度その吹き方で固まってしまうと、変えるのは簡単ではないんですね。
変えるきっかけがあるとすれば、あなたが「試しにトライしてみたら」、ほんの少しでも良いので、
- “より”安定して吹けるようになった
- “より”きれいな音で吹けるようになった
- “より”疲れにくくなった
と、体感できた場合で、そのきっかけになる可能性があるのが、
「楽器のコンディションをより良い状態に持っていく事」
なのです。
あなた自身を責めるのは、その後でも十分でしょう。
プロの力を借りる事の重要性
周りから見ると「力んだように見える吹き方」を直そうと思えば、おそらくは、
- 唇の使い方
- 舌の使い方
- 体の筋肉の使い方
など、いくつもの組み合わせを変える作業が必要になるはずです。
それを丁寧に組みえかていくには、やはり「十分な知識を持った人のアドバイス」が必要なんですね。
なので、可能なら、
- プロのトランペット講師
- プロのトランペット奏者
のアドバイスやレッスンを受ける事をおススメします。
できれば直接受けた方が良いと思いますが、厳しい場合はオンラインレッスンと言う手もありでしょう。
ある程度吹ける方であれば、プロの方のアドバイスをもらえれば「自分で変えていくことも」難しくないと思いますので。
最後に
いかがでしたでしょうか。
「トランペットを吹く時に力んでしまう問題」について、
- 「力まずに吹きましょう」は呪いの言葉
- 楽器のコンディションをチェックしましょう
- 「無意識に楽器に合わせて吹いている状態」の問題点
- プロの力を借りる事の重要性
の4つの項目に分けて書いてきました。
管理人も中高吹奏楽部時代は、
「力んでる!」だの
「ベルが下がってる!」だの
その他にも言われ放題だった人間で、「じゃあ、どうやれば力まずにできるんでしょう」と聞けば、
「口答えするな!」
「自分で考えろ!」
「甘えるな!(←これが1番意味が分からなかった言葉です)」
という答えが返ってきて、しまいには「生意気な奴」とか言われるようになって。
その後、専門学校でプロの方にきちんと教えていただいて、フォーム変更に成功した時に、
「中高吹奏楽部時代に教わった事はいったい何だったんだ…」
と、思った人間です。
「力まずに吹く方法」の他にも、悩んでいることがあるのなら、”できれば”プロにアドバイスをもらう事をおススメします。