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それは、管理人が中学校で吹奏楽部に入って間もないころの事。
先輩(男)に「俺の腹筋触ってみろ!」と言われ、腹筋のカタさを自慢されたなんてことは、さほど珍しい光景ではありませんでした。
そして、専門学校でプロ修行(汗)をしていた時、先生(音楽界の第一線で活躍していたプロトランペット奏者)から、
「腹筋~?! あんまり考えたことないな~(笑)」
と、”すごくやわらかいおなか”をさわらせてもらった覚えがあります。
(その時に、「高音を吹く時の、おなかまわり”等”の筋肉の動き方」も、実演してもらいました)
その後、先生と相談し、管理人は「自分に合った筋肉の使い方」を身につけています。
この記事では、その時に身につけた考え方を、3つの項目に分けて書きました。
どうぞご覧ください。
トランペットに必要な筋肉はどうつければいいのか?
トランペットを吹くのに必要な筋肉はどうやってつければいいのか?
結論を言ってしまうと、「トランペットを吹く」のが一番手っ取り早いです。
「はぁ?!全然答えになってない!」
と、あなたが思った気持ちはよ~く分かります。なので、ちょっと言い方を変えますと、
- トランペットを吹くためには、何か所もの筋肉を「連動させる」必要がある
- 一部の筋肉だけを鍛えてしまうと、筋肉量のバランスが崩れる可能性がある
- 筋肉量のバランスが崩れると、かえって音が出しにくくなるかもしれない
と、いう事で、一番ムダなく、遠回りせずに”あなたに必要な筋肉”をつけるためには、
「トランペットを吹くのが一番手っ取り早い。」という事になるんです
また、「トランペットを吹くのが一番手っ取り早い」と、管理人が思えるもう一つの理由を、次の章で書きます。
トランペットとマウスピースと必要な筋肉の関係
例えば、
- あなたが使っているトランペット
- あなたが使っているマウスピース
- そしてあなた自身
と、この3つの組み合わせだけでも、何通りもの組み合わせができ、微妙に必要な筋肉と、筋肉の使い方が変わってきます。
すごくざっと行きますが、
あなたが使っているトランペットの場合
- 「バックの180MLストラディバリウス」や「ヤマハのXENO(リバース管を除く)」のような、少し重ためのもの
- 「ヤマハのジャズ系シグネチャーモデル(原朋直モデルを除く)」のような、かなり軽めのもの
どちらを吹いているかでも、使う筋肉は微妙に違ってきます。
軽めの方が楽。とは簡単には言い切れません。筋肉の使われ方が少し違うだけで、トータルのきつさは似たようなものです。
(かなり軽めのものは、「大音量で遠くに飛ばす音」と「ものすごく小さい音」が苦手です。)
あなたが使っているマウスピースに関して
高音や明るい音をたくさん使う場合には、「口当たりが小さく、カップが浅いマウスピース」が向いています。
ただし、音程や音色のコントロールが難しいですし(たまに出てくる”低音”に泣かされる)、
大きい音で遠くに飛ばさなければならないような錯覚におちいるよう場所(音響的に微妙な、多目的ホールのマイクなしでの演奏)では、
筋力とか、筋トレでカバーできる範囲をこえて、バテてしまうという事が、よくあります。
かといって、やや大きめ、深めのマウスピースだと、またこれも、筋肉の使われ方が少し違うだけで、トータルのきつさは似たようなものです。
そしてあなた自身
- あなたがどんな音楽をやるのか(やりたいのか?)
- やる音楽(やりたい音楽)に合わせた、トランペットとマウスピースの組み合わせ
この2つを1日でも早く見つけて、
- ロングトーン(あなたが、ピアニッシモで8拍以上のばせる”一番高い音”でやる)
- タンギング(レガートタンギングを心がける)
- スラー(リップスラーにこだわる必要はありません)
を、「前回の練習よりも”ほんのちょっとだけ”無理をしてみる。」と言うやり方を、ずっとくり返して行くほうが、筋トレをするよりも何倍も効果があるでしょう。
トランペットで”筋トレ”が重視されない理由とは?
これもズバリ言ってしまうと、
筋肉の絶対量よりも、どれだけ必要な筋肉に、バランスよく力をかけて吹けるか。
が重要だからでしょう。
一説によると、例えばタンギングをする時には、「全身60か所の筋肉が動いている」とも言われています。
リップスラーでも、舌とあごの動きだけで、なんとかなるようなものでありません。
高音だって「体の側」だけでなんとかなるようなものでもなく、「トランペットの抵抗」を利用した方が出やすいです。
なので、トランペットをもっと吹けるように”筋トレ”を取り入れようとするならば、
よほど、あなた自身がきちんと(必要ならばプロの手も借りて)、「筋トレメニュー」を考えないと、
- 腹筋だけ鍛えるとか
- 唇のまわりだけ鍛えるとか(口角筋と呼ばれていますね)
- 腕まわりの筋肉を鍛えるとか
とかいうレべルでは、かえって吹けなくなる確率の方が高いです。
その時間があったら、前の章でも、ちょっと書きましたが、
「あなたが8拍以上のばせる、一番高い音でロングトーン」
をやり続ける方が、はるかに効果があります。
また、「そんなにトランペットを吹く時間が取れない(場所の問題とかで)」なら、
上手い人の演奏を音源で聞いて、イメージトレーニングをひたすらやる、と言うのも有効な方法です。
最後に
いかがでしたでしょうか。
「トランペットに筋トレは必要か?」と言うテーマについて、
- トランペットに必要な筋肉はどうつければいいのか?
- トランペットとマウスピースと必要な筋肉の関係
- トランペットで”筋トレ”が重視されない理由とは?
の、3つの項目に分けて書いてきました。
トランペットに限った事ではないんですが、「昔の常識が今の非常識」的なことは結構ありまして、筋肉の使い方なんかもそうなんです。
- 昔→トランペット吹くなら、腹筋運動は欠かせない
- 今→トランペット吹くのに、腹筋運動はむしろ害でしかない
さらに、昔に比べると、今は「トランペット奏者の女子の比率」がものすごく上がってきていて、
「トランペットを吹くのに筋トレが必要なら、そもそもの筋肉量が多い男子の方が圧倒的に有利」
なわけです。なのに、女子で活躍しているプロのトランペット奏者が、今増えてきていますよね。
つまりは、「筋トレ頼みにならない吹き方が確立されてきている」という事になります。
この記事が参考になれば幸いです。